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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

殺戮にいたる病

我孫子武丸  1992年

犯人の名前は、蒲生稔!

 永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

 というわけで、出ました衝撃の問題作。「ホラー」と言われてはいますが、「ホラー風味のミステリ」程度の意味で、謎はキッチリ解決されますから御安心を。それにしても、明るく軽妙な作風の人だと思っていた我孫子武丸がこんな作品を書くなんて、と世間を驚かせた作品。今や、この人の代表作としての地位を確立してしまいました。これを超える作品を書くのは、かなり難しいでしょうなぁ。『0の殺人』では、冒頭にたった4人の容疑者リストを掲げていましたが、今回は、いきなり犯人の名前を書いてあるという大胆さ。「犯人の名前は、蒲生稔!」「スペクトルマンは、蒲生譲二!」「長門裕之は、蒲生警視!」もぉいいですか。そぉですか。

 正月も明けきらぬ頃に起こった猟奇殺人。それが連続殺人事件の始まりだった。彼の犯した犯罪は、常識的には理解することができない常軌を逸脱したものだった。知人の島木敏子をこの事件で失った元警視庁捜査一課警部・樋口武雄は、敏子の妹・かおると共に犯人探しを始めることとなった。一方、主婦の蒲生雅子は少なからぬ不安を抱いていた。かわいい我が子が殺人犯なのではないか。そんな疑惑を抱き始めてから気が気ではない彼女は、息子のことをそれまで以上に嗅ぎまわり始める。その向こうに、信じられない結末が待ち受けているにもかかわらず……。

 犯人の名前は、蒲生稔!って、まだ言っていますが、これだけ言っても、まだ足りないくらいで、ラストには絶対驚くこと請け合いです。とにかく読みなさい。恐れず読みなさい。それにしても死体解体のシーンはグログロのゲロゲロです。くり返される陵辱の果ての惨殺。あぁアワビの刺身なんて食いたくない。こういうことを書くと読むのに二の足を踏む人が増えてしまうかも知れませんが、それを我慢するだけのことはある作品ですよ。岡村孝子の歌に乗って(と言っても「見立て」ではありません)繰り広げられる陰惨な殺人劇が描かれますが、岡村孝子ってあたりがマニアックですなぁ。何故かオタクにファンが多いんですよね、あの人。私は、あみんの頃から受け付けませんけどね。なんとなく怖いでしょ。残業して暗い夜道を帰ってきたら、曲がり角の街灯の下で白いネグリジェを来て裸足で包丁を持って立ってそうでしょ。それで「あぁなたぁのぉ夢を〜」なんて歌っていたら、蛇に睨まれた蛙みたいに動けなくなりますよ。超一級のホラーですよ。そう言えば、あみんの片割れって、どこへ行ったの?まさか、ソロ活動の邪魔になるからって(以下、謎の妨害電波)