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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

みんなうんち

五味太郎  1977年

ふたこぶらくだは、ふたこぶうんち

 絵本と言えば思い出すのが『ちびくろサンボ』絶版騒動。差別だ人権侵害だといえば何でもアリだと思っているキチガイどものせいで、世間から本が一斉に姿を消すという異常事態になったのです。これは体験から断言しますが、やれ差別だ人権侵害だと騒ぐ奴というのは狂信者か恐喝者かのどちらかです。まともな知性、理性を持った人間は、こんなことで騒いだりしないのですが、世の中はキチガイに優しい「触らぬ神に祟りなし」という理屈で動いているので、このような人権ファシズムが発生してしまうのです。あの絵本を読んだ人は数多いと思いますが、読んで黒人を馬鹿にするようになった人なんているのでしょうか。私はホットケーキが大好きになっただけです。あんな美味しそうなホットケーキ、見たことありません。あれをたらふく食べられるサンボが、どんなに羨ましかったことか。といったような素朴な感想は、人権ファシズムの前では何の力も持ちません。なんて住みにくい世の中でしょう。

 さて、私は『ぐりとぐら』とか『モチモチの木』とか『おしいれのぼうけん』などといったような絵本を懐かしく感じる世代なのですが、ああいった少しお利口さんな感じの絵本よりも、本書の方に圧倒的に親しみを感じます。なにしろ『みんなうんち』です。いろんな生き物が出てきて、大きな生き物は大きなうんち、小さな生き物は小さなうんちと、それぞれ見た目にふさわしい(?)うんちをしているだけです。ストーリーもへったくれもありません。中には「これはうそ!」なんてことも書いてあります。理屈抜きに面白い絵本です。原作者の五味太郎は、工業デザイン、エディトリアルデザインなどのデザイナーを経て絵本作家としてデビューし、現在までに400冊以上の絵本を送り出しています。更に作詞家として主に「おかあさんといっしょ」で流れる子供向けの楽曲まで書いています。そんな超ベテランが「科学絵本」として出した代表作なのです。

 最近のお子様は清潔病が進行して泥遊びもできないらしいですが、隠そうが誤魔化そうが、誰だって失禁脱糞放屁しているんですから、こういう絵本で学んでおいた方がいいです。臭いものに蓋ばっかりしていては『ちびくろサンボ』は差別!なんて言うような、ろくでもない人間に育ってしまいます。さぁ、全国のお母さん、あなたも私も、みんなうんちをするんだよ、ということを嬉しく楽しく教えましょう。私は、妊娠した妹のために、『アンパンマンのまいにちうんち!』という絵本と一緒に買ったところ、本屋の店員さんに笑われてしまいました。昔ながらのベストセラーと、流行を取り入れたのを2冊、と思ってレジに出したんですがねぇ。伯父さんになるのも楽じゃないです。


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