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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

探偵はバーにいる

東直己  1992年

札幌と言えばオ・カ・マ

 札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバー「ケラー」の扉を開けたが……今夜待っていたのは、いつもの酒と胃腸薬、そして大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。純朴な、ゆえに鈍い青年を、最初は一蹴しようとするが、どこか憎めぬと半ば暇をもてあましての興味本位で捜索を開始する。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、思いがけずデートクラブ殺人の調査へと発展。「俺」は、アルバイト売春娘やチンピラ少年団をかきわけ、二日酔いと闘いながら真相に肉迫していく。

 ……というわけで、「ススキノの俺」シリーズ第1弾。なお、ここで第1弾を紹介しているのは、シリーズの中でこれが一番優れているとかいうことではなくて、ここから読み始めて『バーにかかってきた電話』『向う端にすわった男』『消えた少年』『探偵はひとりぼっち』と読み続けなさい、ということである。全部読みなさい。ちなみに「俺」はススキノの便利屋、ってだけしか分からなくて、名前すらも明かされない。洋服の趣味が悪い(と思う)くらいしか分からない主人公。これがなかなか軽くて良いのです。私としては、東がいくつか持つシリーズのうち、独特の軽味を持つ、このシリーズが一番のお気に入りです。

 それはさておき、この作者、名前と顔写真を見ると「南極探検した人がミステリー書いたのか」とか思いそうですが、それは植村直己なので間違えないように(誰も間違えてへんっちゅうねん)。この人は、ひたすら札幌を舞台に書いている人です。

 ところで、北海道って1回しか行ったことないけど、街としては函館が一番印象良かったなぁ。小樽はしょぼかった。札幌ではススキノに立ってた壮絶なオカマちゃんの印象が一番強いなぁ。あと、あまりに名古屋にそっくりなんで笑ってしまった記憶がある。都市計画なんて、どこも同じようなもんなんですねぇ。