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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

秘密

東野圭吾  1998年

運命は、愛する人を二度奪っていく

 最近どうなんでしょうね、広末涼子って。あんまり見ない気がするんですけど。例の奇行とやらのせいですか。学業のせいかね。まぁ、それは無いか。真面目に学校に通うタマには見えないし、通ったところで勉強に専念できる環境でもないだろうし。確かに見た目は可愛いけど、特に演技がどうってわけじゃないからね。て言うか、この人の演技って殆ど見た覚えがないんですけど。ドラマとか出てるはずなのになぁ、CMの印象しかないのはどうしたわけかね?

 というわけで、これの映画も見てないのです。東野圭吾は本で読んだ方が面白いに決まってるからね。じゃあ読んだ後で見るかっていうと、それもしない。せっかくの感動を汚されちゃたまらんからね。別に広末涼子のせいってわけじゃないですよ。私自身は広末に対して含むところはございません。特に好きでも嫌いでもない。付き合ってくれといわれりゃ即OKするけれど。なかなかエロですし。誰がどう、とかっていうんじゃなくて、東野の原作を超えるどころか、同等の感動を与えることなんぞ誰にも出来るわきゃないのだよ。今では演技派女優として不動の位置を占めちゃった岸本加代子も同じなのです。おまけに噂によると映画は原作とラストが違うとか……無謀なことするねぇ。

 杉田平介は自動車部品メーカーで働く39歳。妻・直子と11歳の娘・藻奈美との3人で暮らしていた。1985年冬、直子の実家に行くために直子と藻奈美の2人が乗ったスキーバスが崖から転落してしまう。現地の病院に駆け付けた平介に看取られながら、直子は息を引き取る。母親が身を挺して守った藻奈美は、意識の混濁はあるものの、無傷に近い状態で救出されていた。眠ったままの状態が続く娘の病室で、妻の名前を呼びながら涙する平介に、時ならぬ声が響いた。「あなた、ここ、……よ」―。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な「秘密」の生活が始まった……。

 発想としてはSFですね。しかも、当初はコメディとして構想されたらしい。「切ない」以外の言葉が出ない物語をコメディとして思いつくなんて、恐るべし東野。しかし、なんですなぁ。男ってのは惨めで悲しい生き物ですなぁ。そのあたり、確かに「滑稽」とは言えるのかも知れませんが、それにしても、なんとも切ない展開です。そういう意味では、男性向けの作品なのかもしれませんね。そして、最後の方には、男性なら落涙必至の、ホームドラマで何度も見たことのあるベタベタなシーンが出てきますが、そこに込められた意味は全然違います。じっくり読んでみてくださいね。タイトルの持つもうひとつの意味がハッキリするラストも、実に味わい深いです。この部分があるから、ミステリとしてもカテゴライズされるわけですね。


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