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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

推理小説を科学する

畔上道雄  1983年

こういうの押さえておくって最近はしないのかなぁ

 最早古典の域に達した推理小説で使われているトリックを科学的見地から検証している本。と言っても小難しい数式とかが出てくるわけじゃないので、御安心を。性質上ネタバレだらけですが、まぁ有名なトリックばっかりですし、こんな本を読もうって人は、それなりに古典もこなしてきてるでしょうから大丈夫ですね。勘違いしちゃいけないのは、「科学的に無茶苦茶だから、この小説はダメだ!」なんてことを書いてある本ではないということ。物語を根本から覆すような科学的間違いは論外ですが、推理小説の楽しみというのは、「科学的正しさ」だけで測られるものではない、ということを押さえているので、読んでて気持ちいい本です。

 それにしても講談社ブルーバックスっていうのも、なんとなく懐かしい響きですねぇ。いや、今でもあるんですけどね。今でこそ新書も文庫並みに氾濫してますけど、これを買った当時(もぉ20年近く前……!)は新書なんてインテリな雰囲気が漂ってたし、中学生が買うなんてちょっとイケナイ感じすらしたもんですよ。そう言えば、昔の本屋さんって、古本屋でもないのに、どこでも薄暗かったなぁ。今みたいにビル一軒丸ごと本屋なんて巨大店舗は無かったし。本のあるところって薄暗いんですよね、基本的に。私の通ってた小学校は、当時図書室のある校舎だけ木造でした。通ってた図書館も公園の奥の洋館みたいな建物だったし(あれ、公立じゃなかったな、なんやったんやろう……)。いい雰囲気やったなぁ。あの薄暗さが、なんとなく読書の持つ魅力に通じてたような気がします。賢そうで誇らしいんやけど、なんとなく悪いことしてるような、そんな感じですね。