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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

へんないきもの

早川いくを  2004年

キラーコンドームが載っててもおかしくないレベル

 おっ、ビリー・ホリデイ←それは「へんなくだもの」。というわけで、「へんないきもの」でございます。「へんないきもの」ったって、バスの中でコロッケ食ってるOLとか、電気屋の前でトランクスにTシャツ姿で立ってるオッサンとか、関西人のくせに標準語で1/1綾波に話しかけてる兄ちゃんとか、何本ものカラフルな紐を振りながら歌い歩く兄ちゃんとかではなくて(全部実話)、いわゆるひとつの「キモかわ」って感じの……いや、別に焼き鳥屋で注文してるわけでもなけりゃ、『楢山節考』のババァでもなく(←それは清川虹子)、「気持ち悪いけど可愛い」って意味のアレです。まぁ、こんな言葉は「チョベリバ」とか「超MM」みたいに、あっという間に歴史の彼方に消え去っていく運命なんでしょうけどね。あぁ、こういう言葉使ってたガングロ山姥メイクの女子高生ってのも充分「へんないきもの」でしたね。

 ……って、そんなことはともかく、深海魚とか微生物とか、普段お目にかかることの無い、もっとも、日常生活では、あんまりお目にかかりたくは無い、でも見てみたい、そんな愛すべき珍妙生物たちを全地球上から集めました。信じられない生態と忘れられないその形を、時にギャグや現代社会への皮肉・風刺を交えて紹介している本です。だって見てみたいでしょ、足が85本あるタコ、音波兵器を持つエビ、3時間ご飯を食べないと死ぬネズミ、放射能にも耐える超生命体、サイバーパンク深海魚。絶対零度にも超高温にも真空にさえも耐えられる生物!何のための能力だっ!?進化論が胡散臭く感じられる奴ら!あー、どこにいたんだお前たち!こいつら、本当に生きて動いているのかね。でもって繁殖しているのかね。センジュナマコとかミミックオクトパスとかウチワカンテンカメガイとかダーク破壊軍団もかくやという名前の奴らがうじゃうじゃ出てきます。理科好きの子供が減っているらしいけれど、こういうのを読ませたらいいんじゃないですかね。トラウマになっちゃうかも知れませんが、好奇心をくすぐりまくること請け合いです。軽妙な語り口と精緻なイラストで普通の図鑑とはひと味もふた味も違います。ものすごく分かりやすく面白く書いてあるから、おつむの不自由なお子様でも大丈夫!科学する心って奴が、すくすく育まれちゃったりすると思うぞ。

 なお、本の画像ですが、いつもは帯を外して載せているんですが、今回は敢えて帯をつけたままにして見ました。だって帯を取ると、ただの緑一色やし、それに、帯に描かれたイラストが、科学する心をそそりまくるんですもの。


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