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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

BLUE NOTE THE ALBUM COVER ART THE ULTIMATE COLLECTION

GRAHAM MARSH、GLYN CALLINGHAM  2002年

SO COOL!

 ブルーノート・レコードといえば、モダンジャズの総本山みたいな名門レーベルである。名盤ガイドなんか見ていると、大部分がブルーノートのアルバムで占められていたり、そもそもブルーノートだけの名盤ガイドが出ていたり、評論家によっては「ブルーノートだけ聞いておればよろしい」なんてことを言う人もいるほどで、その偉そうさたるや、ものすごいのである。もともとはドイツ出身のアルフレッド・ライオンというジャズ・オタクが、1939年にニューヨークで創設したレーベルで、流行を先取りし、若い才能を見抜いて抜擢する確かな腕が評価され、録音オタクのルディ・ヴァン・ゲルダーの仕事も相俟って、ジャズ界最高峰、空前絶後唯一無二究極絶対のレーベルと言われているのです。私は、そこまで言いませんけどね。ブルーノートはオーソドックスすぎて、ある程度の枚数を聞いた人とか変態ファンには物足りないんですよ。なんて言うんですか、ジャズファンとしては、早いことブルーノート離れできて一人前って感じがするんですがね。

 まぁ、そんなブルーノートなんですけど、真に偉大なのは音ではなくてジャケット・デザインだったのではないか、なんて思うわけです。必ず引き合いに出される『クール・ストラッティン』というアルバムのジャケットを見れば分かるように、なにしろジャズのレコードというと独特の雰囲気があって、他のジャンルとは明確に違う個性を放っているわけですが、それは写真家のフランシス・ウルフとデザイナーのリード・マイルスというオッサンが築き上げたものなのです。ジャズ関係の写真家としては、バート・ゴールドブラットと双璧のウルフ。その写真を生かしまくったのがマイルス。専属デザイナーってわけじゃなかったから他のレーベルでも仕事しているし、他のデザイナーも真似しちゃったもんだから、ジャズのデザイン界はこのオッサンのカラー一色。とにかく写真と活字の使い方が絶妙で、そりゃ真似したくなるよなぁと納得。そもそもアルファベットってのは漢字と違って文字自体が意味を持ってないから、デザインに向いているんでしょうねぇ。なんとなくジーンズショップの広告と似た雰囲気も持っている気がするけれど、これぞアメリカってことなんでしょうな。

 そんな偉大なデザイナー、リード・マイルスの仕事をはじめとしたブルーノート・レーベルのジャケット写真集がこれ。400点もの写真を集めて、しかもオールカラーで2000円を切っているとは、なんてお徳なのでしょう!タイポグラフィの勉強にも最適です。これはもぉ問答無用で買いの1冊ですぞ!


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