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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

BLACKJACK 300 STARS’ Encyclopedia

[監修]手塚プロダクション [編]山本敦司  2001年

手塚治虫スターシステムの集大成

 手塚治虫の名前は良く知られていても、その作品が本当に多く読まれているのかというと、実はそんなに読まれていないのではないかと思うわけである。あの超ド級の有名作である『鉄腕アトム』だって、実際に読んだ人は少ないだろう。まぁ、時代は移り変わるものだし、なんだかんだ言っても所詮マンガなんだから読まなくても死なないし、別に必ず読んでおかなきゃいけないってわけではないんだけれども、何故か奇跡的に今も読み継がれているのが『ブラック・ジャック』。TVアニメまで始まっちゃって、おいおい、もう21世紀なんだよ、とか思っちゃうほどである。で、この本は、ブラック・ジャックに登場したキャラクター……と言うより、出演した俳優名鑑。手塚は、スターシステムといって、同じ絵柄のキャラクターをあたかも俳優のように扱い、異なる作品中に様々な役柄で登場させていたので、正に手塚一座の俳優名鑑と言った方がふさわしいでしょう。もともとブラック・ジャックは、手塚治虫漫画家生活30周年記念、手塚キャラ総出演のお祭り企画として始まったものなので、とにかくいろんなキャラクターが出演しているわけですね。それにしても、あれだけのキャラクターを文庫1冊にまとめあげたのは実に素晴らしい仕事です。立派なオタクです。これ1冊で、かなり楽しめますよ、オススメです。

 私は、丸首ブーンとかメイスンとかいった往年の名画の雰囲気を感じさせるキャラクターが好みなんですが、ハム・エッグやアセチレン・ランプといった有名どころはともかく、煙草をくわえていて口のあたりがコルネみたいになっている人(ノールス・ヌケトール)とか、レレレのおじさんみたいな耳をして何本も煙草をくわえている笑顔の人(テツノのおっさん)とかにまで、きっちり名前があるとは知らなかった。おまけに、この本では、それぞれのデビュー作や、他の出演作品まで解説してくれていて、まさに至れり尽くせり。

 で、これで手塚ワールドにはまった人、まだ物足りない人(いくら至れり尽くせりだからって、文庫本一冊でまとめられるほど、手塚ワールドはちっぽけじゃないのだ!)は、手塚治虫キャラクター図鑑全6巻①「鉄腕アトム」とロボット・変身ヒーロー編②「ブラック・ジャック」と不滅のスター名鑑編③「火の鳥」と宇宙生命・コスモゾーン編④「リボンの騎士」と夢の王国・ファンタジー編⑤「三つ目がとおる」とおかしな奴ら編・「陽だまりの樹」と歴史の群像編⑥「ジャングル大帝」と動物交響楽編・総索引に手を出してみましょう。


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