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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

「同和」中毒都市

寺園敦史  2006年

これは「謂われなき差別」ではない

 かつて同和行政と部落解放運動において、全国の先進地として数々の歴史を刻んできた京都市―。果たして、「同和問題の解決」という大義名分のもとで行われていたその実態は……。巨額の補助金不正受給、暴力団の金づると化した事業……。逸脱した行政の「闇」を追う衝撃のルポルタージュ。

 この文章を書いている時点(平成18年10月9日)で、京都市職員の今年度に入ってから(つまり半年間)の逮捕者は11人になっている。しかも逮捕理由が覚せい剤絡みなどという重犯罪である。まさしくこれは異常事態であり、それは市長も市議会も認めている。しかしながら、本当に異常なのは、事件続発の背景に市が数十年来続けてきた「同和選考採用制度」があることを、初めて認めたことにある。なにしろ逮捕された奴のほとんどがエタなのだ。「同和選考採用制度」というのは、エタならフリーパスで職員にしてもらえる制度のことである。初めはゴミ収集かなんかで雇って、数年したら事務職に変えるという、まぁ、公然たる裏口入学みたいなものだ。誰もが知っていた事実でありながら、今まで決して公の場では語られなかった最大のタブーがついに白日の下に曝け出されたのである。

 部落解放同盟という悪の結社は、この人事権を握ることで美味い汁を吸ってきたわけだ。で、こいつらは、「雇ってからは市当局の責任で職員を育てるのが当然で、部落民に責任があるみたいな言い方は差別だ!」と盗人猛々しい発言をしている。職員を育てるといったって、エタに良識を教えるなんてのは、牛にフランス語を教えるより無茶な注文である。なにしろ市営住宅の家賃は数千円、屋根付駐車場も千円ちょっと(ちなみにとまっている車は高級外車だらけ)、市営住宅は勝手に改装したうえ息子の部屋用に確保しておき、自らは地区外に恐ろしく立派な家を建てて悠々自適、返さなくていい奨学金をがっぽり貰えて、塾に行かなくても学校の先生が夜に特別に勉強を教えてくれるし、大体勉強できなくても市役所に入れる……こんな生活している奴らがマトモなはずはない。

 というわけで、とにかく無茶苦茶なのである。この本には、その無茶苦茶が書いてある。「共産党系のフリーライターが書いた本なんて眉唾でしょ」なんて思ってはいけない。ここに書いてあることはすべて事実である。それどころか氷山の一角なのだ。是非、これを読んでもらいたい。『マンガ嫌韓流』もいいけれど、同じ国の中に、こんな酷い現実があるということを知ってもらいたいのである。


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