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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

コマスドー

ちゃたろー  1988年

おじさん そう思うな

 私がコンビニでバイトしていた頃、『ペンギンクラブ』というエロ漫画雑誌があって、仕事の合間に、よく立ち読みしていた(あそこも勃ち読み、なんつって)。当時は、雑誌を紐で括ったり、ビニール袋で包んだりといった野暮なことはしておらず(ビニールに入っているのは「ビニ本」と呼ばれるエロ本だけだった)、立ち読みし放題だったのだ。夜中のコンビニというのは、立ち読み客でもいてくれないことには、どうにもならんということもあって、はたきを持って追い出したりもしていなかった。今みたいにトイレを貸すなんて物騒なこともしてなかったけれど、ときどき貸さなきゃ店内でたれるんじゃないかって客には緊急避難的に貸すこともあって、酷い客は、そこで一発抜いて、売り物のエロ本をダメにする奴もいた。というようなことはともかく、『ペンギンクラブ』というのは、ギトギトの劇画系アブラギッシュな『劇画エロトピア』なんかとは違い、ロリコン系の絵のエロ漫画雑誌で、そこに連載されていたのが、この『コマスドー』なのである。

 主役は、どこから見ても「あの人」なアーナルト・ブストデモネルガー。相棒のジハイデタ・ソレローンとともに、美少女をレイプから守る童貞である。後にロリコップというロボットが参加してトリオになる。この時点でエロを目的としていないように思えるのだが、それだからこそ面白い。ネーミングも単なる駄洒落(クリト・リーストウッドとかな)だし(ジハイデタ・ソレローンは、いまだによく分からんのだが)、絵も明らかにブストデモネルガーだのなんだのの似顔絵の方に力が入っているし、パロディをやることに情熱がほとばしっちゃってるのがありありと分かる。正直言って、エロ漫画なんだろうかという疑問もわくんだが、面白いからいいのだ。

 『ペンギンクラブ』には、もちろん他の作品も連載されていたわけだが、何も覚えていない。ロリ系の絵で、蛸みたいなイカみたいな触手にいじられてる絵なんか見て興奮する奴いるのか?(いたんだろうけど) エロって、そういうことじゃないだろう。エロ漫画でも、エロビデオでも、ストーリーも何もない、ただヤッてるだけの作品というのは何も面白くない。いやらしいことというのは、脳の働き、想像力の羽ばたきを限界まで要求するものなのだ。即物的なエロは、いやらしくない。まぁ、この漫画は、そっち方面の役には立ちませんけれども。




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