出ました,これぞ究極の底抜け脱線マンガ。杉浦茂というと赤塚不二夫に影響を与えた(レレレのおじさんは影響丸出し)ことで有名だったりするわけですが,とにかくマンガ界の王道からちょっと外れたところの巨人です。歴史的存在です。なにしろ明治41(1908)年生まれですからね。さて,これは皆様御存知,猿飛佐助で,こういう講談ネタのマンガというのが時代を感じさせます。他にも『少年児雷也』とか『少年西遊記』なんてのも描いてて,当時のマンガ界の状況なんてものを偲ばせるんですが,中身はトンデモないものです。間違っても,このトンデモなさで当時の状況を偲んじゃったりしちゃいけません。時代劇にもかかわらず空飛ぶ円盤は出てくるわ,謎のロボットは出てくるわ,異様で大胆でとんでもないイメージの連続。驚異のパノラマ。とにかくポップでキッチュ。登場人物も,コロッケ五円のすけ,うどんこプップのすけ,ちくわ穴の守などフリークスすれすれのキャラが続々登場し,「酔うてんのか」と言いたくなるモノスゴサ。かと言って,やりたい放題の無茶苦茶いい加減なのかというと,さにあらず。健全娯楽を絵に描いたような(いやホンマに描いてあるんですけど)児童書の王道を行く仕上がり。もぉ天衣無縫としか言いようがありません。脳味噌がどうにかなってしまうようなアイデアをめちゃめちゃ可愛い絵柄でお届けする国宝級のマンガです。 実際,ここまで弾けたというか狂ったというか,はっきり言って異常なことをやりながら,これほどの完成度を誇る作品なんて存在自体が奇跡みたいなもんです。多分絶版になってて流通在庫しかないと思うので,とにかく見かけたら即ゲットすべし。見かけたら,なんてこと言わず,意地でも探し出しなさい。これを持ってると持ってないとでは人生の潤いとコラーゲンが約30%違います。超弩級のオススメ作品。 |