ポリスストーリー3 警察故事3 超級警察
［監督］スタンリー・トン ［出演］ジャッキー・チェン、ミシェール・キング 1992年
シャレにならないNG集も健在です
無茶な捜査でおなじみ、香港警察のジャッキー・チェン刑事は、恋人マギー・チャンと穏やかな生活を送っていた。しかし、インターポールからの依頼を受け、中国の公安と協力して、世界的犯罪組織『ケン・ツァンの帝国』壊滅作戦に参加することになった。ジャッキーとコンビを組むのは、中国国家保安局のドS部長ミシェール・キング。ミシェールから囮捜査の特訓を受けたジャッキーは、ケン・ツァンの片腕で組織のナンバー2パンサー（なんで悪役の名前ってネコ科なんだ）が収容されている強制労働キャンプに潜入し、脱獄させて、その信頼を得ることに成功するが……。
ジャッキー・チェンの映画は数多いけれど駄作も多い。シンガポールで見た『サンダーボルト』（日本では『デッドヒート』というタイトルで公開）なんて酷かった。何もすることがなかったから映画館に入り、座席指定なんてものを初体験しながら見たのだけれども、なんで加山雄三やねん？て言うか、なんでシンガポールくんだりまで来て加山雄三見なあかんねん！というような怒りを覚えた駄作でございました。しかし、このポリス・ストーリー・シリーズなら安心だ。ジャッキーの看板シリーズだけあって、その面白さは鉄板です。特に、このパート3はシリーズ最高傑作。ストーリーは単純明快、麻薬密売組織に潜入捜査するジャッキー・チェン！『プロジェクトA』も良かったけれど、ちょっと泥臭いのが玉に瑕。どうせ泥臭くやるのなら、昔の（整形前の）『ドランクモンキー 酔拳』とかくらい徹底的に泥臭くなくちゃ。『スネーキーモンキー 蛇拳』も面白かったなぁ。袁小田（ユエン・シャオティエン。吹替は小松方正）が鼻の頭の赤いアホ面の師匠役で出てくるのがたまらなかったですね。ちなみに袁小田の息子、袁和平（ユエン・ウーピン）は、『マトリックス』で武術指導をした人です。
この映画が成功した理由は一にも二にもミシェール・キングを登用したこと。結婚して引退していたのをジャッキーが映画界に連れ戻してきたのですが、ブランクを感じさせない見事なアクション！後に『007／トゥモロー・ネバー・ダイ』に出演することができた（その上、主役を完全に食ってしまった）のも、この映画のヒットのおかげです。それにしても、最近は、洋画吹替の世界も変わってきて「持ち役」という観念を無視してくれていて非常に嘆かわしいのだが、ジャッキー・チェンは必ず石丸博也。嬉しいねぇ。なにしろジャッキー・チェンがインタビューとかで普通に喋っているのを聞いていても「石丸の声じゃない！」とかって思ってしまうほどなので、最後のフィックス声優と言っても過言ではないですね。