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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ビッグ・ヒット THE BIG HIT

[監督]カーク・ウォン [出演]マーク・ウォルバーグ、ルー・ダイアモンド・フィリップス  1998年

キレてる場合だろ。すべてはノリで、カタがつく!

 レンタルビデオ屋で「まだまだ話題作」とかいう「いつ話題になったの?」なんて作品ばっかり置いてあるコーナーの、更に隣の棚あたりにはB級映画が揃う知る人ぞ知る穴場。これも、そんなコーナーで見つけた1本。スタッフは豪華で、脚本にジョン・ウーの名がある。それはまだイイとしても、製作にウェズリー・スナイブスの名があるのはどういうわけなのだろうか。どんな仕事の仕方をしようと知ったことではないけれど、この作品に関わったことが、この人の後半生に悪影響を及ぼさねば良いのだが……。さて、パッケージだけ見ていると「あ、アクションものね」と思ってしまうけれど、事はそう単純ではありません。

 プロのヒットマン、マーク・ウォルバーグは凄腕だが、私生活では誰からも嫌われたくないと公言する優柔不断な極度のお人好し。仲間のルー・ダイアモンド・フィリップスからはいいカモにされ、フィアンセのクリスティナ・アップルゲイトと愛人リーラ・ロショーンには金をせびられるまま貢ぐばかり。更に、レンタル屋からは延滞中の『キングコング2』のビデオを返せと矢の催促とトラブル続き、すっかり胃を痛めてアルカセルツァーが手放せない体になってしまっていた。そんなある日、女たちのために少しでも金が欲しいマークは、ルーが仕組んだ誘拐計画に加わる。日系の大富豪サブ・シモノの娘の女子大生チャイナ・チャウ誘拐計画に加わることになる。隠れ家提供役になったマークは、優しい態度でチャイナに接し、なぜか二人はいいムードに。ところがどっこい、サブは破産寸前だったばかりか、組織のボス、エイヴリィ・ブルックスの親友で、ブルックスはチャイナの名付け親だったのだ。ブルックスから誘拐犯抹殺を厳命されたルーは、なんとマークを誘拐犯の主犯に仕立てあげてしまった!

 内容は真面目なのかふざけているのか、妙な間と変なテンションで突き進んでまいります。いきなり淡々と死体を洗っていたり、そうかと思うと、「いかにも」なアクションがあったり、ドタバタ系のシチュエーションやギャグ、おまけにお色気もバッチリよ、と思っていたら最後はハッピーエンド。出てくる奴はみんなバカで、それなのにアクションは結構すごいことをやっていて、おまけにヒロインがそこそこ可愛くてOK。なんでもアリかい。作った奴は確かに狂っている。絶対に狂っている。そんなのを借りてしまった私はどうなるのだ。あなたも見ている最中、そして見た後、体中の関節がおかしくなっている自分に気付くでしょう。まさしく私好みである。何も考えずに済む週末の夜に、一人大笑いして見るのに激しくオススメ。あれよあれよという間に見終わってしまう、B級バカアクションの快作です。


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