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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

怪奇大作戦

[出演]岸田森、勝呂誉、原保美、小林昭二   1968年

カラ、カラカラカラ、カ〜ラカラ♪

 「科学を悪用して犯罪を犯す者」と「正義と科学を守る者」との対決を描く怪奇犯罪ドラマ。現代社会に発生する謎の科学犯罪に挑戦するSRI(科学捜査研究所)は、元警視庁鑑識課長のヒゲ剃れ原保美を所長とし、熱血野郎の勝呂誉、パシリの松山省二、プリティ炸裂の小橋玲子、そして、冷静沈着な科学の信奉者、岸田森で構成される精鋭達。警視庁捜査第一課長、小林昭二警部と協力し、今日も謎を追い、怪奇を暴くのだ!

 およそ日曜夜7時30分から放送の子供番組とは思えない重いテーマを扱った傑作ドラマ。正義の科学によって犯罪の手段は解明できても、犯人の心は救えないという敗北感がビシバシ心を打ちます。また、心理的には犯人に同化してしまう岸田の演技がサイコホラーを先取りしており、なかなかグロな映像と相まって、震え上がるほど怖い番組になっています。特撮も、怪獣や巨大メカが登場するわけでもないのに、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』に匹敵する破格の予算を使って、光学合成を駆使した、まさに「これぞ特撮」と言うべき素晴らしい出来栄え。これを見ると、CGの味気なさが本当によく分かります。

 世間では実相寺昭雄が監督した異様なアングルの諸作品ばかりが語られるけれど(まぁ確かに面白いんやけど)なかなかどうして他にも佳作傑作が目白押し。末端の実行犯は捕らえても後ろで操っている奴の正体が分からず、悪意が自分達を取り巻いていることしか分からない絶望感満点の第22話「果てしなき暴走」、おとなしい青年の動機無き犯罪を描く第16話「かまいたち」なんて90年代をバリバリに先取りしていた名作。これを見て涙を流さない男とは友達になりたくないぞ、てな第8話「光る通り魔」には何の救いもない。その他、被害者の映像がグログロの第21話「美女と花粉」や、老人問題というテーマに恐怖の人形というお馴染みのアイテムを絡ませた第7話「青い血の女」もオススメです。

 しかし何と言っても最大の問題作は、やっぱり第24話「狂鬼人間」。最近のDVDには収録されなくなってしまったヤバイ作品。かつて精神異常者に家族を皆殺しにされた女が、犯人を無罪にした社会(刑法第39条)に復讐するため「狂わせマシーン」を開発、人を一瞬(殺人の瞬間)だけキチガイにして、罰することのできない犯罪をさせまくる物語。最後は追い詰められて自ら「狂わせマシーン」にかかり、最大出力で永遠のキチガイになってしまう(だから、この女も罰せられない)という物凄さ。「日本ほど精神異常者が野放しになっている国はないんだ。政府も何とかしてもらわないとね」という台詞が素晴らしい。加害者の人権なんて寝ぼけたことは間違っても言っていません。見習え、現代の作家達よ。それにしても、どうしてキチガイは必ず童謡を歌うのだろうか?



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