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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ガメラ対宇宙怪獣バイラス

[監督]湯浅憲明 [出演]本郷功次郎、高塚徹、カール・クレイグ・ジュニア  1968年

強いぞガメラッ 強いぞガメラッ 強いぞガッメッラァァァァァ

 植民地とする星を求めてやって来たバイラス人の宇宙船1号は、たまたま飛んでいたガメラにあっさり撃ち落された。むかついたバイラス人は、早速ガメラ排除のための宇宙船2号を派遣した。その頃、茅ケ崎海岸では、世界各国から参加した少年少女たちが、ボーイスカウトのリーダー本郷功次郎や国際海洋研究所所長ピーター・ウイリアムス博士の指導で海底調査用小型潜水艇の運転訓練を受けていた。いたずらコンビの高塚徹とカール・クレイグ・ジュニアは潜行中にガメラに出会うが、一緒に遊んでいるうちにガメラもろとも宇宙船2号のスーパーキャッチ光線に捕えられてしまった。ガメラは必死に抵抗し、二少年の潜水艇を脱出させたが、その間にバイラス人は、子供が異常に大好きというガメラの性癖を探知、再び徹とカールを拉致する。人質を取られたガメラは脳波コントロール器を打ち込まれ、バイラス人の命ずるまま黒部ダムや東京を破壊する。地球人に全面降伏を迫るバイラス人。地球防衛対策本部は2人の生命を尊重してバイラス人に降伏するという信じられない決定を下すのだが……。

 ガメラシリーズが完全に子供向けに方向転換した記念碑的作品。本作以降、海外輸出用に外国人の子供に主役の片割れを演じさせることになるのだが、こまっしゃくれた毛唐のクソガキが偉そうに画面を飛び回るのが癪にさわることを差し引いても、ワールドワイドでグーな雰囲気を醸し出している。子供好きという妖しい魅力も前面に押し出され、これのせいでガメラシリーズがゴジラシリーズより低く見られる原因になったとも言われるけれど、第2作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』なんて話が暗くて鬱陶しいし、現にスタッフもそう感じたのか、続く『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』は、湯浅憲明監督の方針で子供目線を重視、イカス敵役ギャオスとの戦いに重点を置いて製作、満を持して本作というわけで、やっぱりガメラはこうでなくっちゃ!大人になると、ガキがうろうろするのがムカついてイライラしたりするのだけれど、大きな心でシリーズの方針を決定した湯浅監督は偉い!本作から主題歌となった「ガメラマーチ」(作詞は専務が「寝床」よろしく読んで聞かせたもの、歌うは近所のガキどもを適当に集めてでっち上げた大映児童合唱団)こそ、その象徴、歴史に残る名曲だ。

 デザイン面でも間野重雄が頑張り、特に黄色と黒の縞模様の5つの球体をリング状に繋いだバイラス円盤は、蜂の尻がぷりぷり並んでいるみたいで美しく、円盤デザイン史上屈指の名作。また、バイラス本体もイカみたいとは言え、生首ぴょんぴょん描写に加えて、鋭角のラインが残虐イメージを倍増、ショーン・コネリーの吹替でおなじみ若山弦蔵の渋い声とも相まって、ギャオスや大悪獣ギロンに匹敵するシリーズ屈指の悪役となっている(それにひきかえジャイガーの不細工なこと……)。あまりの低予算のため、舞台は海岸だけ、セットも一つだけ、都市破壊シーンは過去作品のフィルムを大盤振る舞い、第1作から流用して突如モノクロになろうがお構いなしだったりして、悲しくなることもありますが、「怪獣映画」の楽しさに満ち満ちた大傑作なので、食わず嫌いしないで見てみましょう。



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