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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

新・部長刑事 アーバンポリス24

[出演]京本政樹、渋谷天外  1990年〜2001年

大阪ガスの提供でお送りします

 刑事ドラマは数々あれど、関西人なら土曜の夜は部長刑事で決まりです。放送開始は、なんと1958年。暗くて重いドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調作品47(俗に「革命」と呼ばれる)第4楽章を流し、森山周一郎による渋すぎるナレーション「この番組は、一人の部長刑事を通じて社会の治安維持の為に黙々として働く人間警察官の姿を描いたドラマである」を被せるという重厚すぎるオープニングから、関西こてこての人情ドラマを大阪府警全面協力で描いた名作です。しかし、主役の部長刑事が高城淳一、飯沼慧、橋爪功、入川保則、佐藤允といったマニア受けするメンバーで、バブルに浮かれるトレンディな時代には受け入れられなかったことから、1990年からアーバンポリスとして生まれ変わったわけです。

 オープニングも高中正義「Positive Touch」に変更、明るくさわやかなフュージョンサウンドで、ナウなヤングのハートをガッチリゲットしに来たのでした。主役は、大阪府警の捜査班に東京から刑事が一人やってくる、という関西人の首都圏コンプレックス丸出しのパターンで、篠田三郎が登場。続いて勝野「テキサス」洋、小野寺「殿下」昭と『太陽にほえろ!』OBを起用し三代続けましたが、いかんせん捜査班長役は「誰がカバやねん」、「死なん程度に殺したる」の原哲男。さすが吉本新喜劇出身だけあって、作品中の関西臭を煮しめて凝縮したような原が映るだけで、主役の爽やかさが吹っ飛んでしまいました。困ったスタッフは設定を一新、関西臭を出演者に等分に振り分けて希釈する作戦に出ます。

 吉本新喜劇から松竹新喜劇にシフトして渋谷天外を班長に、京本政樹を主役に据えました。大阪出身の京本が、関西弁バリバリの癖に、革のスーツ、あずき色のダブルのトレンチ・コート、ドライバーグローブ(ヒーローがよく使う指先が開いている手袋)というド派手衣装で大活躍。組紐屋の竜をはじめ、無口な二枚目役が多かった京本が、何かを吹っ切ったように二枚目半を楽しそうに演じ、そのスタイリッシュな出で立ちは、後にフィギュアまで作られるほどの人気を博します。共演の女刑事には、京都出身の杉本彩。これまた関西臭を感じさせない見事なキャスティングで、トレンディドラマに負けないビジュアルを提供しました。他にも、京本の父で殉職刑事が近藤正臣(京都出身)、京本の亡妻で元婦人警官が羽野晶紀(京都出身)と気を遣ったキャストに、京本の義父役で遠藤太津朗(京都出身)という特濃キャストを持ってくる用意周到さ。このメンバーで人情刑事ものをやってくれるのですから、たまりません。しかし、関西ローカルの悲しさ、惜しくも番組は終了、後番組に木内晶子を持ってきた新シリーズ『シンマイ。』は、コテコテ臭を抜きすぎてイマイチな出来になってしまい、関西人の土曜夜のお楽しみが、また一つ消えてしまったのでした。



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