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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ルパン三世(ルパンvs複製人間)

[監督]吉川惣司 [出演]山田康雄、小林清志、納谷悟朗、西村晃  1978年

俺は……夢ぇ盗まれちまったからな。取り返しに行かにゃ

 ルパンが処刑された? その死を信じない銭形は、ドラキュラ城でルパンの生存を確認。自分も何がどうなってるのか分からないと語ったルパンは、銭形を振り切るとエジプトのピラミッドへ。それは不二子の依頼で「賢者の石」という石ころを盗み出すためだった。人間に永遠の生命を与えると言われる「賢者の石」は、ルパンから不二子、そしてマモーというとっちゃん坊やの手に渡る。マモーは不老不死に関する品物を集めていたのだ。一方、ルパンと別行動を取っていた次元と五ヱ門の元には、アメリカ大統領の特別補佐官が極秘で接触してきていた。マモーは神を名乗り、両大国を脅迫しているらしい。果たしてマモーとは何者か? そして、その目的とは?

 というわけで、最初のルパン映画。TV第2シリーズ絶賛放送中ではあったけれど、TV第1シリーズ初期のクールでハードでかっこいいルパンが見たいのだ! という声に応えて、アダルトなムードで作られた本作は、ちょっと絵が雑だったりする部分もある(アップなのにジャケットの襟とネクタイを間違って塗っているところもある)けれど、間違いなく劇場版最高傑作である。第2作『カリオストロの城』が日本アニメ史上、一、二を争う傑作だということは認めるけれど、あんなのはルパンじゃないし、第3作『バビロンの黄金伝説』は、浦沢義雄が敵前逃亡した脚本を鈴木清順が監督、TV版PARTV後期の酷い絵柄で仕上げたもので、ゲスト声優の河合奈保子も含め、良いところが見当たらない駄作だったし、第4作『くたばれノストラダムス』は、声がクリカンに代わってしまったこともさることながら、TVスペシャル並みの出来でしかなく、ゲスト声優の安達祐実も含め、これまた良いところが見当たらない駄作だった。第5作『DEAD OR ALIVE』は、原作者モンキー・パンチを監督に迎えたものの、カリオストロの呪縛で平和ボケしたスタッフにハード路線を妨害され失敗に終わり、これ以降、劇場版は作られていない。やはり、本作を超えるなんてことはなかなかできないのである。

 SFでポリティカルなストーリーも壮大、アバンギャルドでハードボイルドでシュールな雰囲気横溢。あの大和屋竺をして「手を加えるところはない」と言わしめた吉川惣司監督渾身の脚本が素晴らしい。ルパンたちレギュラーメンバー5人の関係性が、単なる仲良し5人組ではなく、ルパン、次元と絶妙の距離感を感じさせる五ヱ門に見られるように、それぞれの立ち位置を捉えなおしており、不二子もちゃんと魔性の女になっている。ここは是非、二階堂有紀子に復活してほしかったところ。そして、思わず唸る画面構成は、それぞれのシーンが一幅の絵画のようである。ピラミッド内でサーチライトを蹴り倒したルパンのオートバイのカットは特に素晴らしいもので、芝山努のレイアウトは天才的だね。動きもカッコよく、アニメの醍醐味を感じさせる。敵役マモーを貫録十分に演じた西村晃が、これまた素晴らしい!主題歌が三波春夫「ルパン音頭」なのが素晴らしい!と素晴らしいことだらけの傑作なのである。ただ、銭形がアホ役だった点は『カリオストロの城』より劣っていると言わざるを得ず、誠に残念無念。



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