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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

インドの仕置人 HINDUSTANI

[監督]S.シャンカール [出演]カマル・ハサン  1996年

ナマステ御免!悪い奴らは生かしちゃおかねぇ!

 インド映画もいろいろ見たけれど、総合的な面白さという点では『ムトゥ 踊るマハラジャ』がやっぱり最高。もっとも、この映画でインド映画ブームが起きたから、この後はインド映画なら何でもありのカオス状態で、普通なら見られない(見たいとも思わない)B級作品が怒涛のように輸入されました。

 村役人、警部、行政部長と賄賂をもらっている政府関係の役人が次々と刺殺されるという事件が発生。警察は少ない手がかりを元に犯人の足跡を追うが、なかなか尻尾がつかめない。実は犯人の正体は、セナパティという白髪の爺さん75歳。彼はインド独立運動の闘士として名を馳せた清廉潔白の正義の人だった。かつて、娘が事故に遭い大火傷を負ったとき、賄賂を渡さなかったばっかりに重態の娘を見殺しにされたのである。キッチリ復讐しただけでは満足できず、賄賂とたらいまわしの横行する世の中に怒ったセナパティは頼まれもしないのに世直しを決意、インド古武術にある点穴とベルトに隠したナイフで、賄賂をせしめる悪徳役人を闇で成敗してまわるボランティア活動に精を出していたのだった。一方、そんな親父の厳格さに嫌気がさして家を出た息子のチャンドゥ32歳は、車両検査員として賄賂をもらいながら出世を目指していたが、ある日、袖の下をもらって適当に営業許可を出した車が事故を起こし、大勢の子どもが犠牲になってしまう……。

 バリバリの社会派、父と息子の対決という、どうしたって重いテーマのストーリーなのに何故歌って踊るのか。それは義務?神の教え?そんなシーンを組み込むことにスタッフも苦労したことでしょう(それとも自然にやっちゃったのか?)。特筆すべきは感涙ものの特撮がふんだんに取り入れられていることで、主役(ジジイと息子の一人二役)二人の対決シーンや、息子と女友達のダンスシーンなど狂いまくったセンスの特撮から目が離せません。インドの感性で特撮をやると、どういうことになるか、正に東洋の神秘の画面(ちょっと大林宣彦入ってる気も……)。それはともかく、さすが年間800本の製作本数を誇るインド映画、こういうジャンルの映画もあるんですねぇ。ヒンドゥー教の戒律とかは厳しそうなイメージがありますが、ポルノ映画とかもあるのかね?そういう場合、表で禁じられている分、アンダーグラウンドではえげつないことになっているというのが世の常なんですが、そんな映画でも歌って踊っているのでしょうか。肝心なところになると突然歌い出すとか、合体しながら歌って踊っているとか。ものすごく面白そうなんですが、なんか日本のアダルトビデオなら、とっくの昔にパロディタイトルを付けて出してそうな気もしますね。