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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

殺しの烙印

[監督]鈴木清順 [出演]宍戸錠、真理アンヌ  1967年

色、欲、裏切り……むせかえる肌と硝煙が奏でる殺しのシンフォニー!!

 男前の殺し屋は香水の匂いがしたぁ〜「でかい指輪をしているな」「安かぁねぇんだ」「安心しろ、そいつには当てねぇよ」……ズガァァァァン……曲がったネクタイを〜気にして死んだぁ〜♪(作詞と歌(おまけに脚本、出演も):大和屋竺)

 この「殺しのブルース」という狂った主題歌を初めて聞いたのは巻上公一の同名アルバムで、だった(そもそも、あんなアルバムを何故買う気になったのだろう?)。で、それから約10年、やっとオリジナル・バージョンを、いつもの変態映画館みなみ会館で聞くことができた。始まっていきなりこの歌でビックリしたわ。後はもぉ何がなんだか分からない。これを見た当時の日活社長・堀久作は大激怒し、年頭社長訓示で「わからない映画を作ってもらっては困る」と名指しで非難したうえ、同年4月には、鈴木清順監督を電話で一方的にクビにしたというが、その判断は正しいと思うぞ。

 殺し屋がランキングされ、すべての殺し屋が1になろうとしのぎを削る世界。ランキング3、飯の炊ける匂いに欲情して勃起する宍戸錠は、500万円の報酬である組織の幹部を護送する途中、2と4(これが大和屋竺)らの一味に襲撃された。錠の相棒、南廣は倒れたが、危うく危機を脱した錠は、その男を無事目的地に送り届け、2の座を獲得する。ある日、錠は4人の殺しを請け負う。錠は自分の持つ最高のテクニックを用いて、次々と指名の人間を消していった。しかし、最後の一人である外国人を殺し損ねてしまった。殺し屋に失敗は許されない。組織は女殺し屋、真理アンヌを差し向けてきた。家に逃げ帰った錠に妻の万里子が拳銃を向けた。万里子も殺し屋だったのだ。九死に一生を得た錠はアンヌのアパートに転げこんだ。そんな錠をアンヌは射つことが出来なかった。錠殺しに失敗したアンヌは組織に捕われ、彼女を救いに行った錠は組織の連中と対決したが、そこに現われたのは、かつて錠が護送した男、南原宏治だった。南原こそ、正体不明の伝説の殺し屋といわれる1だったのだ。

 超有名カルト作品で、期待が大きかったせいか、確かに変に印象には残るものの、思ったほどには楽しめなかった。大和屋竺の脚本は、他の映画でも面白さを発揮している(ルパン三世第2話「魔術師と呼ばれた男」の方が本作より100倍完成度が高い)ので、多分、鈴木清順監督が実験的な映像表現に凝りすぎて、遊びすぎたのだろう。しかも、そんなにスタイリッシュに仕上がっているわけでもなく、なんなら、大和屋が自分で監督した方が、『荒野のダッチワイフ』みたいに異色の傑作に仕上げられたのかも知れないのに、もったいないことをしたなぁという感じです。というわけで、本作は、異様にきれいな真理アンヌと、異様にかっこいい宍戸錠を楽しむべき作品です。日活にはいろんな俳優がいたけれど、ナンバー1は間違いなく、宍戸錠ですね。石原裕次郎なんか目じゃないっすよ。



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