本文へスキップ

ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

100発100中

[監督]福田純 [出演]宝田明、浜美枝、有島一郎  1965年

ママの言いつけでネ

 和製ボンド・ガール、浜美枝。それにしてもデカイ乳ですなぁ。ハッキリ言って、顔はあんななのに(世間では「ファニーフェイス」と言っていますが)、この乳、このスタイルだけでボンド・ガールになれたんですから、やっぱり小さい時から牛乳を飲んでおかなくちゃいけないのですかね。また、他にも『国際秘密警察 鍵の鍵』の女スパイ、『キングコングの逆襲』の某国工作員マダム・ピラニアなんて役ばかり演っていた気がしますが、本作でも、爆弾使いのオシャレな殺し屋役です。主演の宝田明は、言わずと知れたミス・ユニバースMC。正体不明、謎のキザ男、「ママに怒られちゃう」とか言っている軟派な役を、デビュー作『ゴジラ』での生真面目な二枚目役なんて知ったことではないといった感じで、まったく嫌味を感じさせず楽しそうに演じています。ちなみに、この「ママに怒られちゃう」というのは、大きな意味を持つセリフなので、よく覚えておいてくださいね。

 パリから来た男、国際秘密警察アンドリュー星野こと宝田明。彼に車で近づいたデカパイ美女・浜美枝は、東南アジアを舞台にプラスチック爆弾を売り歩くというオシャレな殺し屋。美枝に案内されて着いた所は堺左千夫率いる殺し屋の巣、堺組の地下室だった。そこには、中国人ということになっている多々良純が、香港から密輸してきた100挺のCRS拳銃があった。国際秘密警察の刑事が派遣されたとパリから連絡を受け、堺組を張り込んでいた警視庁の有島一郎刑事は地下室に囚われてしまう。一方、多々良は、アンドリュー宝田はスイスの密売王から派遣された殺し屋で、香港で密売王から独立したフランス人と多々良を狙って日本にやって来たのだと聞かされるのだが……。

 ストーリーは宝田が浜にまとわりついたり、まとわりつかれたりしながら、ある事件を追っているのやら巻き込まれているのやら巻き込んでいるのやらといったようなもので、とにかく、あんまりクドクドと説明できない映画です。スカッと爽やか、しかもアッと驚く趣向ありの大傑作、とにかく見るべし。脚本は、都筑道夫と岡本喜八という豪華な布陣で、ゴジラ映画だとイマイチながら、『電送人間』『エスパイ』などアクション映画には定評のある福田純が軽快に撮りました。脇役に平田昭彦を使ったりして実に贅沢です。いやはや、日本にだって、粋でオシャレでかっこいいアクション映画があったんですねぇ。好評につき、前田美波里をフィーチュアした続編『黄金の眼』も作られましたが、第1作のインパクトには勝てませんでした。なお、「ママに怒られちゃう」は『0011ナポレオン・ソロ』(The Man from U.N.C.L.E.)のパロディ。「U.N.C.L.E.(アンクル)」とは、主人公のナポレオン・ソロが所属する国際機関「United Network Command for Law and Enforcement」(法執行のための連合網司令部)のことで……ここまで言えば、お分かりですね?


メニュー

  1. トップページ
  2. 特選名曲
  3. 特選名著
  4. 特選名画
  5. ヴァイブの殿堂
  6. PROFILE
  7. BLOG
  8. BBS
  9. LINK

おすすめ情報