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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

快盗ブラック・タイガー FA TALAI JONE

[監督]ウィシット・サーサナティヤン [出演]チャッチャイ・ガムーサン、ステラ・マールギー 2000年

泣いているのはトムヤムクンが辛いからさ

 太平洋戦争の頃、バンコクを逃れ、田舎の村に疎開してきたブルジョワのステラ一家。村長の息子チャッチャイは、不良に絡まれていたステラを、額に旗本退屈男みたいな深い傷を負ってまで助け、ステラから銀のハーモニカをゲット。それから9年後、バンコクで運命的な再会を果たした二人は、ラブラブモードに突入するが、父を殺されたチャッチャイが復讐のために悪党の仲間入り。一方、ステラの父は、村から悪党を一掃する使命に燃えるガムジョン警部に娘を嫁がせようとしていたが、どんくさいガムジョンは悪党一味に捕えられてしまう。彼がステラの婚約者だと知ったチャッチャイは、わざとガムジョンを逃がして裏切者となり、命を狙われる。致命傷を負ったかに見えたチャッチャイの命を救ったのは、あの銀のハーモニカだった。ステラへの愛を再確認したチャッチャイは、彼女の住む故郷の村へと向かうが……。

 これは往年の日活映画(ポルノじゃないよ)を髣髴させるタイのアクション映画。すれ違いメロドラマの王道といった感じの、ありがちと言えばありがちな話ですね。大映テレビみたいなコテコテな展開で、こういうストーリーって、タイ映画だけにバンコク共通なのね←壮絶オヤジギャグ。では、何に注目するかというと、それは色使いです。とにかく色使いがすごい。カラフルなんて表現じゃ、とても追いつきません。総天然色の極彩色。爆裂する原色。目がチカチカします。あてもん屋(これって全国共通?)とか縁日とかで売っているような体に悪い駄菓子を想像してもらうとイメージが近いです。これを「チクロ・カラー」と名づけよう。若い人のために説明しておくと、「チクロ」というのは、発癌性の疑いから1969年(私の生まれ年だ!)に使用禁止になった人工甘味料のことである。やっぱり映画は映像で魅せてくれないとね。ドラマの中身よりも、映像が、色が見る者を侵食する、そういう類の映画です。

 で、このポスターを見てください。すごい色でしょ。映画は全編こんな感じです。はて、どこかで見たようなチラシやなぁと思っていたけれど、今、思い出しました。ウォーレン・ビーティーの『ディック・トレイシー』に似ているんですよ。あれは、特殊メイクがすごすぎて、せっかくの豪華キャストが台無しという酷い映画でしたけれどね。あの映画の原作はマンガでしたが、本作も良い意味で極めてマンガチックな雰囲気を漂わせた作品です。



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