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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

レインボーマン

[出演]水谷邦久、平田昭彦  1972年

阿耨多羅三藐三菩提

 濃い!熱い!て言うか暑苦しい!30分でお腹いっぱい!そんな伝説の作品。7つの精霊の化身であるレインボーマンと、かつて日本に虐待された外国人が仲良く手を組み、日本人への復讐に燃え、組織の目的をストレートに名乗っている子供番組にはキツい設定の秘密結社「死ね死ね団」との戦いを描く大傑作!

 こういう昔の特撮モノって、思い出込みで美化されて、改めて見てみたら大したことないなんてことが多々ありますが、これに関しては心配御無用!1話完結じゃなくて1クールごとに展開する大河ドラマ的構成ですが、決してだれることなく、むしろテンポが良いと言うか強引過ぎると言うか、一瞬たりとも目を離せない濃密さです。第1部「キャッツアイ編」は、発狂した挙句自殺してしまうという薬品キャッツアイによる日本人皆殺し作戦を描く。なんと、レインボーマンことヤマトタケシも薬品を飲んじゃうという驚愕の展開。ヒーローが発狂して、道行く主婦に「おかあちゃん!」と抱きついたり、ビルの屋上から「お〜い、魚は釣れたかぁ〜」と叫んだりするシーンなんて、他の番組では絶対見られません。第2部「M作戦編」は、全国に組織された御多福会という新興宗教団体を経て信者に渡される偽札による日本経済の混乱と、7人の殺人プロフェッショナルによるレインボーマン抹殺作戦の2構成。アマゾンの魔女、塩沢とき率いる殺人プロフェッショナルの中でも、大月ウルフ演じるマザコンの電気怪人エルバンダの破壊力はものすごいが、偽札工場は破壊しても、流通する偽札を回収しないレインボーマンの方が問題がある気がする。第3部「モグラート作戦編」は、地底戦車モグラートと空爆機ダッカー、悪魔武装部隊DACによる大規模テロによって、日本中を物資不足に追い込むとともに、外国要人殺害で日本の孤立をもくろみます。メカ描写の充実と併せて、オルガやロリータといったグッとくる名前の女幹部を投入してエロも強調。第4部「サイボーグ軍団編」では、いよいよ追い詰められた死ね死ね団が、オルガやロリータ達グッとくる女幹部をサイボーグ化、更にモグラート作戦で予算がなくなったのか、安っぽいゴムマスクを被っただけで「俺はサイボーグだ!」と力強く主張する怪人が登場。更に塩沢ときの母親、曽我町子が、この世に二つとない血縁の恐ろしさを見せつけて、レインボーマンと死闘を繰り広げます。

 七つの姿を持つカラフルなヒーロー像、出てくる悪役のアクの強さ、日本を護る右翼魂と、心躍る設定に加え、もともとプロレスラーになって金をわんさか稼ごうという他のヒーローにはないハングリー精神旺盛な動機でヒーローになったため、ヒーローだけど人間だ、普通に暮らしたいんだ!金が欲しいんだ!有名になりたいんだ!という悲痛な叫びが聞こえてくるような(実際叫んだり歌ったりしているわけだが)ハードなドラマと演技が心に迫る。ダイバダッタに弟子入りするため訪れたインドは印パ戦争の真っ只中、みんな日本語を喋っている戦場で「俺は日本人だ!ジャパニーズだ!」とわけの分からんことを言ってみたり(言葉が通じているのか通じてないのかどっちなんだ)、若き日の小野武彦がレギュラー出演していたりと見どころ(突っ込みどころ)も満載。また、特撮もものすごく味のある画面づくり(ゴジラシリーズのスタッフなのに……)。オープニングからして変なコマ落としみたいになっちゃっていて「変なヒーロー」感抜群。ちなみに、6年後のマチャアキ主演の名作『西遊記』でも、ほとんど進歩のない特撮を披露しています。



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