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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国

[監督]アベユーイチ [出演]小柳友、濱田龍臣、土屋太鳳、宮野真守、宮迫博之  2010年

これが俺たちの光だ!

 ある日、突如光の国にダークロプスが襲来するが、『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』のときより性能が低かったため、ウルトラマンゼロがあっさり撃退。長谷川初範オリジナル声の80が残骸を分析したところ、この宇宙には存在しない物質で構成されていることや、残骸からマイナスエネルギーが異世界宇宙へ送信されていることが判明。調子こいたゼロは、単身、異世界宇宙へと向かい、ダークロプスを送り込んできた者の正体を探るが、そこでは、死に損ないのウルトラマンベリアルが「銀河皇帝カイザーベリアル」と厨二病丸出しで名乗り、ベリアル銀河帝国を率いて宇宙征服を進めていた。そして惑星アヌーで、帝国の尖兵レギオノイドの大軍から人々を守ろうとして瀕死の重傷を負った青年ランと一体化したゼロは、その弟ナオ、惑星エスメラルダの王女エメラナ、人工知能を持つ宇宙船ジャンバードとともに、厨二病ベリアルを倒す鍵を握る「バラージの盾」を探す旅に出る。

 前作『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で初登場したウルトラマンゼロが堂々のタイトルロールとなったウルトラマンシリーズ45周年記念作品第1弾。M78星雲サーガを見事に完結させた『ウルトラマンメビウス』終了後に作られた前作は、完全に内山まもるの『ザ・ウルトラマン』的解釈で描かれ、坂本浩一監督がアメリカ仕込みのワイヤーアクションでウルトラマン達を吊りまくり、激しくカンフーアクションさせたは良いものの、巨大ヒーローとしての存在感や神々しさは全然感じられない問題作だった。『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』など等身大ヒーローには有効な坂本アクションの神通力も、巨大ヒーローには通用しないのだ。そんな反省があったのか縄張りを荒らされた怒りがあったのかアベユーイチ監督は、ゼロがラン達の前へ登場するシーンや一体化と分離の際の描写に「光の巨人」としての存在感を感じさせて好印象の演出を見せてくれる。

 前作で着ぐるみ総ざらえ、M78星雲人全員登場という円谷プロの過去の遺産食い潰し路線を確立、今回はウルトラマンノアを登場させたほか、ミラーマン、ファイヤーマン、ジャンボーグAのデザインをリファインして新キャラクターに仕立て上げている(こっそりとマイティジャックも出ている)。それぞれの主題歌モチーフを取り入れたBGMや登場シーンの演出等、大きなお友達をニヤリとさせるくすぐりもあり、特にミラーマンを元ネタにし、劇中で体操座りを披露するミラーナイトのデザインはなかなか素晴らしかった。ただ、新キャラによる宇宙警備隊「ウルティメイトフォースゼロ」にはヤングに人気の声優を起用、多元宇宙(マルチバース)論を取り入れたことによる自由自在(御都合主義ともいう)なストーリー展開には、さすがに大きなお友達としては卒業かなあと思わせてくれるものがある。そもそも、肝心のウルトラマンゼロがカッコ悪いんだよ!目立つためとはいえ、上半身が青、下半身が赤というのは酷い。ダークロプスのカラーリング(上半身が赤銅、下半身が黒)の方が、ずっとカッコ良くて見栄えがするし、新世代のウルトラマンをアピールするのにふさわしいと思うのだが、いかがだろうか。かの成田亨先生が、一時期ヒーローの色としてこだわっていた金色にも近いし。


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