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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

荒野のドラゴン IL MIO NOME E SHNGHAI JOE

[監督]マリオ・カイアーノ [出演]チェン・リー(早川明心)、クラウス・キンスキー、ミクリヤ・カツトシ  1973年

裂帛の気合と殺気あふれる必殺技!ポスト・ブルース・リーの最前線!

 仕事を求めてサンフランシスコから西部へやってきた東洋人、上海ジョー。凄腕の空手の名手ジョーは、テキサス行きの駅馬車にとび乗った。眼の前に開ける広大な西部の景観はジョーの心を踊らせ、彼はカウボーイになるべく、ある牧場主を訪ねるものの、黄色い肌ゆえに白人たちの風当りは凄まじかった。この地方一帯に君臨する悪徳ボス、スペンサー一味の非道な悪行に怒り心頭のジョーは、得意の空手技で悪党どもを蹴散らした。面子をつぶされた牧場主は、スペンサーと結託して殺し屋を雇い、ジョーのもとへ差し向ける。巨大な岩と砂塵、吹き荒ぶ原野をさすらいながら、ジョーは自分の首にかけられた懸賞金目当てに集まってきた殺し屋たち(殺した相手を喰う奴、生きたまま相手の頭の皮を剥ぐ奴などなど)と壮絶な戦いを繰り広げていく……。

 当時人気絶頂で映画界を席巻していたマカロニ・ウエスタンとカンフー映画を混ぜ合わせれば2倍の面白さにちげぇねえ!ということで、イタ公が何も考えずに撮った珍品西部劇。そんな心意気は「俺の名は上海ジョー」なんて味も素っ気もない原題より、邦題の方がしっかりと表現しています。マカロニ・ウエスタンはクリント・イーストウッドしか見ねぇ!なんて正統派かつ狭量なお方は敬遠した方が良いけれど、西部の荒野に響く怪鳥音というのも乙なものです。西部劇もカンフー映画も埃っぽいところが舞台という共通点があるので、それほど違和感(キワモノ感)もありません。しかし、最後に現れる殺し屋は違和感ありまくり。最強の殺し屋ミクリヤは、真っ赤な忍び装束に日本刀を背負い、変なちょんまげに中国人風ドジョウひげという強さを誇示しているのか笑わせに来ているのか分からない出で立ちでジョーに襲いかかります。その格好からは、どういう背景を持った奴なのか、どういうキャラなのか、サッパリ分かりません。しかも演じているのは、上海ジョーと同じく、これまた日本人です。日本人同士が変な格好をさせられて、珍妙な対決をさせられているとはいえ、片や主役、片や最強の殺し屋という良い役をつかんでいるのを見ると、同胞は海外で頑張っていたのだなぁと、我々日本人の明日への励みになるというものです。

 マカロニ・ウエスタンと言えば、エンニオ・モリコーネ!と言われるくらいで、『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』など、かっこいい音楽がつきものですが、この作品も御多分に洩れず、テーマ曲が異様にカッコイイ。作曲したのは、『夕陽のガンマン』をきっかけに、74年頃までのモリコーネ作品の大半で、オーケストラ・アレンジ及び指揮を担当したブルーノ・ニコライ。ジュリアーノ・ジェンマの『キスキス…バンバン』も手掛けた人です。



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