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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

火星人地球大襲撃 QUATERMASS AND THE PIT

[監督]ロイ・ウォード・ベイカー [出演]アンドリュー・キア、バーバラ・シェリー  1967年

胡散臭さ抜群の科学者、偉そうに登場!

 ここロンドンでは今年の予算を消化するため、地下鉄駅の拡張工事の真最中。そんなある日、食い扶持を稼ぐため黙々と働く土方さんたちは、大量の骸骨と、乗り物のような謎の物体を発掘してしまう。軍隊と何故か偉そうな謎の科学者の指揮の下で調査が始まるが、物体からは謎のパワーが出ており、触った人間はブルブル震えて発狂してしまう。何人もの犠牲を出して物体に穴を開けてみると、中には巨大イナゴのおもちゃ……いや、死体が!死体をいじくりまわして調べた結果、これは500万年前に地球に来ていた火星人の死体だったことが判明(何故、それが分かったのかは偉大な科学のおかげということで)。そうこうしているうちに、物体(火星人のロケット)は発光を始め、火星人の凶悪な残留思念が周囲の人間をキチガイにしまくり、更に巨大な影となってロンドン全土に襲いかかる!

 というわけで、『原子人間』(凶悪宇宙生物に取り付かれた宇宙飛行士が病院抜け出してウロウロ)『宇宙からの侵略生物』(隕石落下と謎の地下工場と化け物の三題噺)に続くクォーターマス博士シリーズ第3作。このクォーターマス博士というのが立派なのか何なのか、よく分からない人物であることに御注目。偉そうに科学者でございますと主役を張っているわりには、言っていることは理屈もへったくれもあったもんではなく無茶苦茶で、運が良くて言っていることが当たっただけの結果オーライなオッサンにしか見えません。そもそも、政府に研究を反対されたりしている単なるキチガイ学者じゃないのか、この人。それなのに、妙な事件が起きると、何故か皆から頼りにされて、挙句の果てにシリーズ映画のヒーローになっちゃうのだから、人間っていい加減なものですね。

 さて、本作は「大襲撃」なんてタイトルですが、円盤が大挙して押し寄せてくるわけでもなく、化け物がうようよ湧き出してくるわけでもなく、出てくるのは火星人の死体と残留思念だけ。残留思念なんて言葉、私は『幻魔大戦』で覚えましたよ。低予算丸出しの特撮と、あんまり救いのない結末が世紀末的でイイ味出しているSF作品です。派手派手しいCGに誤魔化されているだけで内容なんかスッカラカンの最近の映画に比べたら、実になんとも味わい深いもんですよ。やっぱりSFは古臭く、安っぽくなくちゃ、というハリウッドのビッグ・バジェット・SFXに嫌悪感を抱くあなた、必見ですぞ。



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