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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

吸血の群れ FROGS

[監督]ジョージ・マッコーワン [出演]レイ・ミランド、サム・エリオット、アダム・ロアーク  1972年

あなたも私もゲロゲ〜ロ

 ヒッチコックには『鳥』(原題『THE BIRDS』)という怖い怖い動物パニック映画の原点にして大傑作がありますが、これは鳥より生理的に気持ち悪い奴らに御登場願って恐ろしさアップを狙った映画。原題は『FROGS』……「蛙たち」。なんとなくメルヘンな雰囲気に不審なものを感じたあなた、正解です。

 沼みたいな湖に浮かぶ島には、ある成金の別荘がありました。別荘ったって、およそリゾート感覚とかけはなれたジメジメ系ジャングルに周囲を囲まれ、蛙の鳴き声がうるさくて寝られないという辺鄙で不便なところ。こんなところで爺さんの誕生パーティーをやろうってんですな。でもまぁ、蛙がうるさいのもなんなので、使用人が駆除薬を持って出かけます。しかし、いつまで経っても帰ってこない。ひょんなことからパーティーに途中参加することになったカメラマンが探しに出かけると、顔面ぐちゃぐちゃで蛙や蛇にたかられた死体を発見します。なんだかやばいぞって雰囲気が充満してきますが、どうしても誕生パーティーをやりたい我がまま爺は何の手も打たない。そのうち家族が一人、また一人と死んでいく……。

 映画のポスターには「ある日突然 身の毛もよだつ数千の吸血類が人間を襲いだした!右頬に赤蛭ぴたり 首筋に縞蛇ぬるり 胸元に守宮(ヤモリ)ひたひた 内股に蜥蜴 ふくらはぎに毒蜘蛛 助けを求める腕にも 蛙が喰いつく!」との恐ろしげなキャッチコピーがあるんですが、吸血類って何だ?て言うか、こいつらの中で血を吸うのって蛭だけじゃないのか?大体「群れ」ってほど出てこないし、それに襲ってくる奴らも爬虫類、両生類だけかと思いきや、毒グモだのサソリだのまで現れ、挙句の果てには本家本元の鳥まで襲ってくる(合成シーンはヒッチコックのモロパクリ)始末。それに積極的に襲ってくる男気を見せてくれるのは蛇と蜘蛛くらいで、後は偶然そこにいたら相手が怖がって勝手に死んでくれましたみたいな感じ。亀なんか泳いでいるだけだし、タイトル・ロールの蛙たちに至っては、集団でぴょんぴょん飛び回り、ゲロゲロ鳴くだけ。やる気のないこと夥しく、まるで水曜スペシャルみたいです。いくら爬虫類系に生理的嫌悪感を示す人が多いといっても、泳いでいるだけの亀や鳴いているだけの蛙を見て心臓をストップさせちゃうとは到底思えません。だから安心して御覧ください。こけおどしのBGMくらいつけりゃいいのにと思ったら、なんと音楽担当はエキゾチック・サウンドの巨匠レス・バクスター。こいつが本領を発揮したら、もっとリゾート感あふれる怪作になったのに残念至極です。



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