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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

悪魔のはらわた FLESH FOR FRANKENSTEIN

[監督]ポール・モリセイ [出演]ジョー・ダレッサンドロ、ウド・キア、モニク・ヴァン・ボーレン  1973年

飛び出す内臓!美しくも脱力のスプラッタ

 とある古城に住む男爵。淫乱の実姉を妻にして近親相姦の子供を二人作ったマイホームパパの彼は、実は人間の優れた部分を継ぎ接ぎして完璧な人造人間の男女を造り、更に二人にハメハメさせて、優秀な子孫を誕生させようとしているキチガイ科学者でもあった。実験は、いよいよ男の人造人間に優秀な首を接合するという最終段階に入っていた。このため、いかにも精力絶倫な男を探していた男爵は、売春宿で絶賛4P中の男に目をつけ、ついに首チョンパに成功する。ところがどっこい、これが人違いで、4Pをやっていたのは男爵夫人(淫乱)のセックス相手だった召使で、首チョンパされたのは、その友人の内気な坊やだったのだ。このせいで男の人造人間は女に興味のないアンニュイな坊や、草食系人造人間と化してしまい、実験は大失敗。挙句の果てには男爵夫人(淫乱)、絶倫召使、実験助手(童貞)まで巻き込んで、皆さん内臓どぴゅどぴゅの大破局を迎えるのだった……。

 3D映像で威勢よく飛び出す内臓はバンバン映すくせに、男女のあそこにはボカシをかけるという教育的配慮が泣かせる佳作。大笑いなのは人造人間にハメハメさせようとする場面で、アンニュイな坊やと化した人造人間のナニを勃起させるため、女人造人間に「Kiss him!Kiss him!Kiss him!Kiss him!Kiss him!」と狂ったように命じ続ける男爵と、それに合わせて機械的にキスする不感症系女人造人間。それでも男人造人間のナニはピクリとも動かない。実験助手(童貞)は、ちょっとカウパー腺液を漏らしながらも、冷静に「反応しません」とパンツをめくって指差し確認。ちなみに本当に動いていないかどうかは、ここにもボカシがかかっているので分かりません。

 妙に格調高い雰囲気でスタートする本編ですが、始まってしまったら淫乱とキチガイが画面をうろうろし、血まみれ臓物が面白いように飛び交う爆笑作品。そもそも完璧な人間を作るのに、なぜ男女の人造人間を造って子供を産ませるなんて迂遠な方法を採るのかとか、そういう些末なことを指摘してはいけません。きっと男爵は、人造人間のセックスを見物したかったに違いありません。ただのバカバカしいエログロ映画かと思いきや、ラストは何の救いもないけれど、やけに芸術的に締めてくれて、「余韻嫋嫋たる」と形容してもいい静謐かつ厳かな雰囲気。ホラーやスプラッタが苦手な方にも是非一度見ていただきたい。何をトチ狂ったか、あのポップ・アートの巨匠、アンディ・ウォーホルが監修しています(名前を貸しただけらしいけれど)。ウォーホルは、処女の生血を吸わなければ生きていけないドラキュラ伯爵が可哀想で見ていられない爆笑作『処女の生血』も監修していて、こちらも必見の名作となっています。ポップな芸術家の考えることは分かりませんねぇ。