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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

サイボーグ009

[監督]芹川有吾 [出演]太田博之、ジュディ・オング、八奈見乗児  1966年

赤いマフラーなびかせて 進めサイボーグ我らの勇士

 死の商人「黒の幽霊団(ブラック・ゴースト)」の研究所長ギルモア博士は驚異的な新発明、サイボーグを完成させた。ロシア人の赤ん坊で10倍の知能をもつイワン・ウイスキー、ジェット機より速く飛べるアメリカ人のジェット・リンク、超感度の視聴力を持つフランスの少女フランソワーズ・アルヌール、身体中に武器を仕込んでいるドイツ人のアルベルト・ハインリヒ、20万馬力の力を持つアメリカ・インディアンのジェロニモ・ジュニア、口から7000度の熱光線を吐く中国人の張々湖、何にでも姿を変えられるイギリス少年グレート・ブリテン、水中を自由に泳ぎまわれるアフリカ人ピュンマ、そして、あらゆる能力を持つ日本人レーサー島村ジョー。彼らゼロゼロナンバーサイボーグを悪の組織に命じられて作っておきながら、この発明を悪用されてはいけないと勝手なことを考えた博士は、彼らとともに脱走したが、ブラック・ゴーストの追撃によって003を奪われてしまう。009は003を救い出すため、ブラック・ゴーストの秘密基地に潜入するのだが……。

 石森章太郎の代表作であり、これまで何度もアニメ化されてきたが、私の世代に最も馴染みがあるのは、1979年放送の2ndシリーズ(009が井上和彦だった奴)。石森先生自ら作詞した主題歌「誰がために」と「いつの日か」が名曲である(作曲は平尾昌晃)ことを除いては、今となっては大して見るべきところはない。原作の再現度という点で言えば、2001年放送の3rdシリーズ『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』にとどめを刺す。『人造人間キカイダー THE ANIMATION』以降、石森キャラを描かせたら天下無双の紺野直幸がキャラクターデザインを担当したこの作品は、音楽がavexであることを唯一の瑕瑾とした名作。感涙必至の真のラストエピソード、地下帝国ヨミ編でキッチリと終わらせた見事な構成。石森の遺稿である『Conclusion God's War』序章部分まで(ちゃんとコスチュームの色まで変えて)作られていて、009アニメの決定版と言っていいだろう。

 さて、本作は、劇場版第1作。設定は原作から大きく変えられ、コスチュームの色が違うとか009の髪型が変とか004が武器だらけとか、特に007が子供になっているのには石森先生も大憤慨だったらしいけれど、007は子供の方がいいと思うぞ。オッサンばかりでは絵的につらいし、見ている良い子たちにもアピールできない。その証拠に当時の人気投票では007が1位を取って、原作でも一時期子供になっていたくらいだ。声を当てた曽我町子の演技も素晴らしく、006役の藤村有弘との掛け合いは絶品である。そして、漆原昌久作詞、小杉太一郎作曲の勇壮極まる主題歌に乗って赤いマフラーなびかせて戦う009は文句なくカッコいい。やたらカクカクした動きが目立つ低予算のリミテッドアニメなので、技術的に褒めるところはないのだが、反戦というテーマも見事に表現されていて、マンガ映画としては大満足の逸品。恐竜のくせに超音波を放って豪華客船を襲うプレシオザウルスと、背後に暗躍するブラック・ゴースト団と戦うため9人が再結集する続編『サイボーグ009 怪獣戦争』も必見。なんと、ヒロインの声が市原悦子なのである!



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