YMOとは、イエロー・マジック・オーケストラの頭文字です。イエロー・マジック・オーケストラというのは、ベースの細野晴臣、キーボードの坂本龍一、ドラムス(そしてボーカル)の高橋幸宏によるユニットです。
というようなことから説明を始めなければならないのは哀しいことです。YMOこそは、現在につながる音楽シーンの基礎を築いた、我が国の誇る最重要ユニットなのです。1978年にデビュー、1983年に「散開」するまで、たった5年間の活動時期だったにもかかわらず、国内外に多大な影響を及ぼしたのです。でも、最近は「YMOって、なんですか?」というヤングが多くて困ったもんです。まぁ、私だって、9歳から14歳という時期に直撃を受けたバリバリのYMOチルドレン世代であるにもかかわらず、オリジナル・アルバムを揃えるまでには至ってないですからねぇ。でも、このボックスセットは速攻で手に入れましたね。この5枚組は「再生」(1993年)なんて夢にも思っていなかった頃に限定生産されたものです。でも、思わぬ売れ行きに増産されて「限定」でもなんでもなくなったんやけど。なんか損した気分ですな。それに、どうせ5枚組にするんならボーナス・ディスクなんてやめて、全部オリジナル曲収録にしてくれりゃ良かったのに。
てな不満もありつつ、あらためて聞いてみて思うのは、ものすごく「聞きやすい」音楽だ 、ということですかね。メロディーが美しいんですよ。演奏にコンピュータを本格的に持ち込んで、ピコピコ電子音のテクノを大流行させたYMOですが、それはあくまでも外面の新しさで、メロディーの美しさ、という音楽の本質的な部分をキッチリ押さえているのです。もっとも、私は世間で評価の高い中期の作品(アルバムなら『BGM』)よりも初期、後期の曲を愛する外道ファンですけど、それでも今のテクノだのなんだのと称している曲とは明らかに違う美しさを感じることができます。いまだにオリジナル・アルバムがプレス(しかも最新技術でのリニューアル版で!)され続けたりしてるのも、YMOの音楽が古びたりしない、一過性の流行モノではないことの証明ですね。まぁ、商売がうまいってことなんですけどね。その商売を成立させているのも、コンテンツが素晴らしいからこそで、やっぱりYMOってのは偉大やなぁと思います。彼らの偉業は後世に伝えていかなければなりませぬ。それにしても、あの頃は、まさか自分がパソコンなんぞいじるとは想像だにしませんでしたねぇ。
<私の好きな曲ベスト10>
以心電信 | 小西康陽最愛の曲。最愛のアルバムは『ソリッド・ステイト・サバイバー』。俺と一緒! |
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タイトゥン・アップ | 洋楽のカバーやけど、小林克也と伊武雅刀の参加が忘れられない。イカス! |
ワイルド・アンビションズ | 有名曲ではないけれど美しい曲やねぇ。 |
君に、胸キュン。 | このプロモーション・ビデオの気色悪さは忘れようったって忘れられない。 |
ビハインド・ザ・マスク | 何故か耳に残ってる。 |
体操 | こういうアホくささが、なんとも言えずいいですね。 |
音楽 | 見てた?『YOU』、NHKの。 |
ラジオ・ジャンク | ライブの定番(らしい)。シーナ&ロケッツの曲ですね。 |
ポケットが虹でいっぱい | 再生後の曲。プレスリーのカバーですね。 |
ノスタルジア | これも再生後。思わず瞼が重くなる名曲。 |