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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ハートカクテル vol.4

島健  1987年

さぁ、ホットなうちにやんな

 御存知わたせせいぞう原作のコミック(「漫画」とは言いたくない雰囲気が漂ってます)をアニメ化したもののサントラ。JTが「煙草一本のストーリー」と銘打って1話5分で製作していました。このキャッチコピーは、なかなか秀逸でしたね。嫌煙権なんぞというタバコを吸わない私でも100%同意しかねる妙な権利が幅を聞かす現在では、こんなコピーは、もう使えないのかもしれませんね。

 て言うか、喫煙者ってのは、あそこまで迫害されなきゃならんもんなんですかね。税金はガンガンかけられるしね。「喫煙所」とかいう狭いところに押し込められてる姿って、ものすごく哀れですよ。「健康のために吸い過ぎに注意しましょう」なんて書いてあるけど、あんなところで吸ってたら、余計に体に悪いと思うけどね。そもそも、健康に悪いものを売るなよ。

 まぁ、それはさておき、これは生活感皆無、国籍不明、歯は浮きまくり、そんな、わたせせいぞうの世界をお届けする深夜番組として、なんと1年半も続いてました。誰が見とったんや、そんなもん、って私はきっちり見てました。すみません。でも、ああいう世界って面白いですよ。絶対、親子丼なんか食わへんし、ステテコなんか穿かへんし。無国籍やけど、「関西」という要素は絶対に存在しない世界ですね。

 それにしても、わたせせいぞう、ああ、いかにも80年代。この絵柄、ストーリー、雰囲気、なんとも空虚なり。薄っぺらなり。バブリィなり。原作はオールカラーで高価でしたねぇ。猛烈に時代を感じさせる一品です。

 さて、この番組の音楽担当は1クールごとに交代し、各クールごとに1枚ずつアルバムが発売されました。本作は、島健が担当した第4クールのもの。ちなみに第1、2クールは松岡直也、第3クールはトニーズ・ショー、第5、6クールは三枝成章が担当するという贅沢な布陣。もっとも、ラテンの松岡は少々明るすぎてうるさく感じられる嫌いがあり、逆にクラシック出身の三枝は暗すぎて、どれを聞いても同じではないかと思えたりする。トニーズ・ショーに至っては「あんた誰?」ってな始末で、まぁ、あんまり話の内容に応じてミュージシャンを選んでたわけではなさそうです。

 そんな中、島健というと、地味ながら、最近のサザンオールスターズの曲でストリングス・アレンジなんぞを手がけている才人。ロビンちゃんの旦那さんだったりするのが衝撃の事実。シリーズ6枚中、最もバランスが良く、センスも良く、でもって楽曲も美しいので愛聴しております(ジャケットは、あまり好きではないのだが……て言うか、ジャケットくらい描き下ろしってわけにはいかなかったのか)。音楽だけ聞いてる分には歯は浮きません。


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