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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

交響組曲 クラッシャージョウ

[音楽]前田憲男  1994年

構わねぇ、どいつもこいつも切っちまえ!

 LPで発売されたのは1983年のことでした。って、もぉ20年近く前か。まぁ『宇宙戦艦ヤマト』に比べりゃ随分新しいですけどね。高千穂遥原作のスペースオペラを、表紙イラストを手がけた天才アニメーター安彦良和が映画化しました。

 そう言えば、朝日ソノラマの原作本、最近、カバーの絵を新しく書き直したバージョンが発売になってますな。昔の絵は、随分目つきが悪かったですからね。まぁ、「壊し屋」なんで目つきが悪くて当然、本の中身に合った絵だったんですけど、アニメになった後なので、よりマイルドで男前になってます。もちろん、技術の上達によって、より美しい絵になってるし。あれ欲しさのために買いなおす人いるんやろうなぁ。

 映画も面白かったですねぇ。絵がきれいで、動きが滑らかで、さすが安彦って感じでしたね。もっとも、キャストには不満もあって、連合宇宙軍のコワルスキー大佐の声を納谷悟郎が演ってて、あれでは銭形警部にしか聞こえんぞとか、悪役側は充実してるけど、主役側は小原乃梨子と小林清志の芸だけで我慢してねってことかなんて思いましたけど、まぁ、それは些細なことですね。今の目で見ると、どうかな?と思う絵もありますが(誰だったかアニメーターが「巡洋艦コルドバの色パカが酷い」と言っていた記憶がある)、当時としては、かなり上質だった記憶があります。この上質さが更にパワーアップして、かの大傑作『巨神ゴーグ』につながっていくわけですね。

 ああいうふうに描けるアニメーターというのは、もう出てこないんでしょうねぇ。最近のアニメって、どいつもこいつもスーパーサイヤ人みたいなツンツン髪で、骨格とか肉付きとか動きとかは無茶苦茶で、およそ人間らしさなどというものからは程遠いものになっちゃってますからねぇ。多分、基本ができてないんだろうから、あれを「デフォルメ」だと逃がしておいては、どんどん質は下がるばかりだと思うのですが、いかがでしょうか。

 それはさておき、劇場版の音楽を担当したのは前田憲男、と言うても知ってる人しか知らんと思いますが、シオノギ『ミュージックフェア』のアレンジ担当してる人。もともとはジャズの人です。しかし、あの番組、なんであんなふうになっちまったのかね?もぉすっかりダメダメ番組やん。昔は良心的な音楽番組として高い評価を得ていたのに、フジテレビの上層部というのは脳みそが糞になっているのか?バカタレが。

 で、このアルバムですけど、映画のBGMを交響曲にアレンジしたんじゃありません。まず交響曲を作ってから、BGMにアレンジしなおして映画に使ったらしいです。随分贅沢な作りですね。スペースオペラに交響曲っていうのは、『スターウォーズ』のパクリなんでしょうけれど、かなり重厚な音楽になってて、聞き応えも充分です。


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