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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

タツノコプロ大全集

1995年発売

この道一筋33年の老舗スタジオ名曲集

 アニメ界に燦然と輝くタツノコプロ作品の総決算。「アニメソングは、こうでなくては!」という作品だらけです。

 詞に作品内容が織り込まれてて(あるいは作品のムードがきちんと反映されてて)、一度聞いたら忘れられず、かつ誰にでも口ずさめるメロディーを持ち、確固たる実力を持った歌手によって歌われている……これこそアニメソングの必要最低絶対条件なのに、最近は新人アイドルのプロモーションに使われたり、何の見識もなく有名アーティストの曲を垂れ流したりと、蔑ろにされているのは由々しき事態です。許せません。こういう傾向は『うる星やつら』が元凶だと思います。そして『キャッツアイ』で、みんな勘違いしてしまったのです。

 昔のアニメソングは、詞をスタッフが書いてたもんですよ。竜の子プロダクション企画文芸部とか東京ムービー企画部とか日本サンライズ企画室とかね。監督の富野由悠季は個人でも書いてますね。特撮だって石森章太郎先生が何本書いていらっしゃったことか。また、スーパー戦隊シリーズの原作者であり、主題歌も書いていた「八手三郎」は、東映映像本部テレビプロデューサーの共同ペンネームです。やっぱり安易に外注したりなんかしちゃいかんですよ。家族みんなで歌えて、10年、20年先でも歌い継がれるものを作らなくてはいけません。もちろん歌だけでなく、作品そのものも、ですけどね。

 それにしてもタツノコ作品、良い曲が目白押しやねぇ。さすが創業1962年の老舗。ただし、タツノコの目玉商品、タイムボカン・シリーズについては、単独で商品化されてるので、天才・山本正之の名曲群はそちらで堪能いたしましょう。

 このCDでは『科学忍者隊ガッチャマン』『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』『宇宙の騎士テッカマン』(オープニングもエンディングもアニメ界屈指の名曲!)のタツノコ4大ヒーローといった有名どころのほか、「地震の元を踏み潰せ」はまだ分かるが、「台風の目に体当たり」などと出来もしないこと(て言うか、やっても仕方ないこと)を朗々と歌い上げる名曲『ゴワッパー5ゴーダム』や、うっかり八兵衛熱唱の『マッハGoGoGo』なんかが聞けます(オリジナルはボーカル・ショップが歌ってませんでしたっけ?)。更に、『紅三四郎』で堀江美都子の若い声に涙し、『ハクション大魔王』や『みなしごハッチ』で嶋崎由里のこぶしクルクルに酔い、『OKAWARI-BOYスターザンS』でアイ高野の美声にうるうる来ちゃいましょう。あ、クロダコ・ブラザースも入ってる。カバトットとかドテラマンなんてレアものまで……これらを全部、一緒に歌える俺は一体……。


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