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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

悪魔の調べ~ミステリー映画の世界~

[音楽]田辺信一、芥川也寸志、大野雄二、大林宣彦、村井邦彦  1996年

金田一さ~ん、サントラですよ

 横溝正史原作の金田一耕助映画の音楽を集大成した徳用盤。

 まぁ、一口に金田一映画と言っても、あの片岡千恵蔵御大による映画とか高倉健主演とか、そんないかがわしくも見てみたい映画もあるわけですが、当然(?)、それらの楽曲は含まれておりません。石坂浩二、渥美清、中尾彬は取り揃えましたが、古谷一行と西田敏行は漏れてしまいました。金田一俳優の一方の雄である古谷一行も、映画は一本だけですからねぇ。しかも、あんな出来では……(ただ、「何故、犯行を阻止できないか」に対する言い訳は素晴らしかったと思います、皮肉でも嫌味でもなく)。そんな映画にしてしまった大林宣彦は、何故か曲が採用されてますが。

 しかし、『悪魔が来りて笛を吹く』(音楽担当は尺八の大家、人間国宝の山本邦山!)が入ってないのは痛いなぁ。私がこよなく愛するテーマ曲「黄金のフルート」が聞けないのは実に痛い。これがベスト盤編集のエケチット(←誤植ではありませんよ)という奴か、ちぇっ。

 更に、版権の関係上、すべてがオリジナル音源ではない(最も有名と思われる『犬神家の一族』がオリジナルじゃないのも、これまた痛い……)けれど、カバー曲でもオリジナルにまったく遜色がなく、クオリティが高いので、これはズバリ買い、でしょう。とにかく、どの曲も美しいので、女性にプレゼントしたって何の問題もありません。

 って、女性にCDをプレゼントしたことなんかありませんけどね。自分で編集したカセットとかもプレゼントしたことないな。大体、私は楽曲重視で編集しちゃうので、サザンの次に赤影が入ってミニモニ。で締める、とか、傍から見ると訳の分からん選曲になってしまうのだね。カーステでは大活躍してるけど、女の子を助手席に乗せなきゃいけないシチュエーションになったら、FMにしちゃうもんね。

 全然関係ない話ですが、私の知ってる女の子の妹さんは、いきなり男から「聞いてください」ってカセットテープを渡されて、ちょっと怖かったんで(そりゃそうだ)姉妹二人して聞いてみたら、「え、え~と……なんか、こんなん照れるよね……」とかなんとか、延々告白が入ってて、さむいわ笑えるわで大変だったとのこと。当然、その男は門前払いで振られてます。世の男性諸君、この手は使えませんぞ。

 まぁ、そんなことはともかく、こうやって聞いていると、本当に美しい旋律です。身を委ねているだけで幸せです。今回収録された作品のほとんどを監督した市川崑は、こういうメロディアスな曲が仕上がってきたのを聞いて、あまり好ましくは感じなかったらしい(もっと現代音楽っぽい方が合うと思ってたらしい)ですが、この路線で正解でしたね。でも、せっかくなら、ジャケットは杉本一文描き下ろしでお願いしたかった。いや、なんとなく、それっぽい絵ではあるんですけどね。


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