本文へスキップ

ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

踊る大捜査線 オリジナル・サウンドトラック

F.F.S.S. prodused by 松本晃彦  1997年

事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!

 テレビ・シリーズは面白かった。あれだけ流行ったものを「面白かった」っていうのは、なんかちょっとイヤな気分になったりするんですが、確かに面白かったです。流行るだけのことはあったと素直に認めます。

 でも、映画の方は中途半端というか、まぁ失速してましたね。だってテーマ的にはテレビで完結してるんですからねぇ。ああいうドラマですから難解な事件なんて起こせませんし(やれ推理だの捜査だのって、そぐわないでしょ)、後はどれだけお遊びを持ち込めるか、が勝負だったのに……残念でした。黒澤明の『天国と地獄』のパロディ、分かった人いるのかな?客層が若いもんなぁ、ちょっと難しかったんじゃないの?

 そんな瑣末なこと以外に、あの映画以降、実に安易に、テレビの2時間スペシャルで事足りるではないかといったような映画が量産されるようになってしまった、邦画及びその観客の質を最底辺にまで落としてしまったという問題もありますね。まぁ、それを語り出すと長くなるので、ここでは触れないことにしておきましょう。「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」っていうのは素直に名台詞だと思いますし。

 さて、このアルバムは爆発的に売れたんですが、作曲した松本晃彦という人は、他に何か大きな仕事をしているのでしょうか。実は他所で聞いたことないんです、この名前。あの、日本ジャズ史に燦然と輝くビッグ・フォーの一員、テナーサックスの「スリーピー松本」こと松本英彦の甥らしいんですが(ちなみに、他のメンバーはジョージ川口、中村八大、小野満)、ついでに言うと麻木久仁子の旦那らしいんですが、だからって、別に仕事には関係ないですからね。まぁ、これが出世作で、多分、生涯最高の仕事ってことになるような気がしますね。

 ということで、このアルバム、オリジナル・サウンドトラックと言いながら、単にBGMを並べただけではなく、実に良く出来た構成で、なかなかのものなのです(織田裕二withマキシ・プリーストによる主題歌「Love Somebody」は入ってないですよ、念の為)。テーマ曲「Rhythm And Police」をはじめ、この番組のBGMは、一時期、死ぬほど聞かされたんで、今更……という人も多いと思いますけど、こういう構成なら一聴の価値アリです。結構ハマりますよ。確かに名盤です。

 昔から刑事モノの音楽といえば、山下毅雄の『七人の刑事』から始まって、大野克夫の『太陽にほえろ!』、菊池俊輔の『Gメン’75』などなど名曲が多かったですが、これも見事な曲で、新たなスタンダードとなりますね。最近の刑事モノ(はぐれ刑事だのなんだの)はテーマ曲の印象が薄いですから、こういうところは見習ってほしいもんです。