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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

LET'EM ROLL

BIG JOHN PATTON  1965年録音

ブルーノート・レーベル屈指の名盤

 オルガン。いいですねぇ。素晴らしい音色です。見た目は貧乏くさいんですけどね。生徒が全部で10人もいない離島の小学校で、鄙には稀な美女の先生が弾いてて、来週、廃校寸前に思い出に残る運動会やりますねん、みたいな感じですね。『二十四の瞳』って雰囲気があって郷愁を誘いますね。

 私は、学校の音楽の時間は嫌いだったんですけどね。なにしろ、譜面が読めないもんですから。手先も不器用だし、肺活量もないし、おかげで楽器というものがまったく扱えません。できるのは口笛だけです。

 まぁ、それはともかく、私のオルガン原体験は何を隠そう尻隠そう、『ウルトラマンタロウ』でございました。そう、戦いのシーンで必ずかかっていた主題歌のメロオケです。ウルトラシリーズでは、『タロウ』の音楽だけを担当した日暮雅信という人のセンスの素晴らしさが爆発してますね。この名曲は『ウルトラマン・決戦 ミュージック・ファイル』という感涙モノのCDで聞けるので是非ドーゾ。あ、「白色彗星」なんてパイプオルガンの名曲もありましたなぁ。これは『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』で聞けます。

 といった名曲も数々あるのですが、オルガンというのは個性たっぷりでいい味を出すんですが、主役を張るにはキツイという弱点があって、なかなか名盤として紹介してもらえない。オルガンに関しては、ややゲテモノ系の方がイイです。別に、私が選ぶからじゃないと思いますよ、多分。

 そこで御紹介する本作は、ヴィブラフォン入りということで彩りも華やか、曲もノリノリで素晴らしい。また「いそしぎ」なんてロマンチックな曲の演奏も、これまた素晴らしい。ジョン・パットンという人は、このアルバム以外に目立った仕事はなさそうなんですが、これを残したってだけで立派だといっていいでしょう。最初に買うオルガン・ジャズとしては、かなりイイ線いってると思いますよ。ジャケットが、これまたイカス!さすが、ブルーノートです。

 ヴァイブを演奏しているのはボビー・ハッチャーソンですが、正直、好きな奏者じゃないんですよね。いくらヴァイブ好きの私でも、そりゃあ苦手な奏者もおりますよ。無機的過ぎるというのか、聞いてても、あんまり美しさを感じないんですね。しかし、それを補って余りある人が参加しております。ギターのグラント・グリーン!ジャズのガイド本で紹介されているような初期のアルバムは大して面白くもなんともないですが、ほとんど触れられない後期作品は身も捩らんばかりに歓喜に打ち震える名盤揃いです。『ラテン・ビット』『ヴィジョンズ』『アライヴ!』『ライヴ・アット・ザ・ライトハウス』……こういうのを紹介しないでどうするのだと思うのですが、つくづく、ジャズ・ジャーナリズムの了見っていうのは狭いですねぇ。


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