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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ルパン三世’71 MEトラックス

[音楽]山下毅雄  1999年発売

お子様ランチか。なるほど、マズイ面だ

 ルパン三世の音楽というと、「ルパン・ザ・サ~ド♪」(「ルパン・ルパ~ン♪」だと思っている人多いでしょ?)の女性コーラスが耳について離れない「ルパン三世のテーマ」をはじめとする、大野雄二の曲があまりにも有名ですが、実は、あれはTV第2シリーズ以降のものなのです。

 新作が作られるたびに大野が起用されるので、あれ以外にルパンの曲があるなんてことすら知らない人が多いかと思いますが、再放送で緑色のジャケットを着たルパンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。あれこそがTV第1シリーズ、そして、あそこで流れていた、妙に耳に残る曲を書いたのが「早すぎた天才」「7000曲を作った男」山下毅雄=ヤマタケなのです。このところ、渋谷系オタクがヤマタケ作品『プレイガール』を持て囃したり、奥田民生が第1シリーズのEDを「イージュー・ライダー」のC/Wとしてカバーしたりして再評価が著しいおかげで、見事オリジナルBGMのアルバム発売と相成りました。

 実は、第1シリーズのマスターテープは紛失してしまっており、これまで音盤化しようにもできなかったという経過があるのです。マスターテープは今も行方不明のままで、これが発見されないことには、オリジナルBGM集など作れるわけがありません。仕方がないから改めて録音しなおすという手もありますが(実際、それをやったアルバムもある)、それじゃ「オリジナルBGM」じゃなくなっちゃう。というわけで、サントラの鬼、高島幹雄(ミュージック・ファイル・シリーズの企画担当者)は、なんと、MEテープ(BGMと効果音が入ったもの)を編集、可能な限り復元するという、想像するだけで気の遠くなる作業を敢行したのでありました!普通なんぼ好きでも、ようやらんぞ。そんな根気、絶対続かんぞ。俺なんか自分のサイトを整理するだけでも死にたくなるのに、なんて強靭な精神力でありましょうか。偉いぞスタッフ!実際バップのミュージック・ファイル・シリーズに携わってる人たちには何か賞をあげなくちゃいかんと思います。

 と、いうわけで、仕上がったものは、拘り抜いただけあって、落涙必至、問答無用の大名盤。サントラでは邪魔なはずのSE(効果音)がイイ味出してて逆にグー。高島氏は、SE入りのサントラなんて大嫌いで、この企画も投げ出しかけたとのことですが、作ってもらって本当に良かった。靴音とかドアの開閉の音とか、今のアニメとは違って、かなり個性的な音で、あの時代の、緑ジャケットのクールガイ・ルパンの姿がありありと蘇ります。もちろん曲もカッコイイ~くてイカス!OP、EDは、既に発売されている日本コロムビア盤主題歌集との重複を避けるため、ともにレアなヴァージョンを収録するという念の入りよう。「このCDでしか聞けない」って惹句は伊達じゃないぜ!さぁ買え、今買え、すぐ買え!


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