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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ECHOES

FRANK CUNIMONDO   1971年録音

カクテルピアノ上等!フェンダーローズ上等!

 このところ、あちらこちらでオススメしまくっている超(そろそろ、この「超」ってのも聞かなくなってきましたな)お気に入り作品がこれ。とにかく気持ちいいのです。このエレピの音色の美しさというか可憐さというか、これこそ正に天使の音色、天にも昇る心地良さです。

 このフェンダー・ローズというのは、魔性の楽器ですね。純正ジャズでは、あまり使われることはなく、フュージョンとか、ガチガチのジャズ・ファンからは「堕落している」なんて言われるジャンルでよく使われますが、ヴィブラフォン同様、私がこよなく愛する楽器です。どうせ私はゲテモノ好きさ。仕事で身も心も疲弊しきって帰宅して、あぁ、つまらん毎日やなぁ、明日も、明後日も、これから先もず~っと、このまま過ごして歳取っていくのかなぁ、なんて考える水曜の夜、これを聞けば、なんとなく心落ち着くという素晴らしいアルバムなのです。

 ところで、こういう演奏をカクテル・ピアノといってバカにする向きがあります。カクテル・ピアノとは、カクテルのグラスを傾けながら聞くピアノ、つまり、ムード重視で技術的には大して高くない演奏という意味らしいんですが、要するに、一段低く見た言い方ですね。しかし、そんなものに惑わされてはいけません。そもそもカクテル飲みながら聞ける気持ちいい演奏が、どうして貶められなきゃならんのでしょうか。カクテルを飲む余裕もなく、必死こいて噛り付いて聞かなきゃならない演奏しか認められないなんて、そんなバカなことはありませんよね。こういうのは、自分をちょっと高級に見せたい見栄坊で、「うまいもんは、うまい!」と正直に言えない性格のねじくれた愚劣な輩の言い草なのであります。こういう奴らは一生、「はや」の焼肉は食えないのです。音楽を楽しもうというときに、そんな理屈は不要です。素直に聞こうではありませんか。

 この人、カニモンドという大爆笑の名前(アメリカのジャズ・ピアニストなんですけど、よくある苗字なんですかね?)とは裏腹に、とにかく美しい演奏を連発してくれます。なんとなく全部同じ演奏に聞こえないこともないんですけど、まぁ、そんなことはドーデモいいじゃないですか。美しけりゃ何遍聞かされてもOK!エンターテインメント上等!というわけで、カクテルグラス片手に楽しんでいただきたい。

 ただ難点がひとつ。このCD、分厚いのかなんなのか分からないんですけど、デッキがうまいこと吸いこんでくれないんですね。いつも指で押し込まなきゃならんのです。どーゆーこと?まぁ、トレイ式(トレイローディング)やトップローディング式の機器なら問題ないんですが、スロットイン式(セルフローディング)の機器をお使いの方はご用心。


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