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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ウルトラ・クラブ・コンパイル 〜グルーヴ!円谷ヒーロー!!〜

[音楽]宮内国郎、冬木透、冨田勲、玉木宏樹、小山恭弘  1996年発売

異色のウルトラマン・ジャズ・コンピ

 折りからのシネジャズ・ブーム(本当に流行ってますけど、これって誰が仕掛けたんでしょうね?)に乗って、円谷作品のコンピレーション・アルバムが登場。シネジャズの定義もよく分からない(明らかにジャズじゃないだろうという曲もあります)し、「クラブ・コンパイル」というのも考えてみれば謎のタイトルですが、ここはおおらかにラウンジ・ミュージックと捉えておけばいいのかな、と思います。こういう企画が成立するのは、おそらく今だけだと思いますので、見つけたら即ゲットしておかなければなりません。

 それにしても、昔のテレビ番組では、喫茶店の中で流れる音楽までオリジナル曲を作っていたんですねぇ。今なら、適当にどこかから流用して済ますことが多いんじゃないかと思いますが、当時は実に贅沢だったんですね。しかし、そういう性質の音楽ですから、主題歌のアレンジばっかり使うというわけにはいかず、したがって、これだけ聞いていると何の音楽だかサッパリ分かりません。そういう意味では、サントラ・ファンの皆さんには物足りないかもしれませんが、こういうのも味があっていいものです。こういう曲は単品BGM集でも買い揃えない限り、なかなか耳に触れないものですし、そんなものを買い揃えられる余裕のある人なんて、そうそういないでしょうから(←貧しい私を基準にしています)。そういう意味では、「ULTRA SEVEN Off Vocal Ver.」は余計でしたね。こういうのも入れておかないと、リスナーが辛いかも、という思いやりだったかもしれませんが、せっかくラウンジーに寛いでいるところに流れてくると、少々白けてしまいます。

 ジャズという観点から言うと、『マイティジャック』『恐怖劇場アンバランス』のクラブ、バーの場面用の音楽を書いた冨田勲が素晴らしい。特に『マイティジャック』のクラブJ用のBGMは、私がこよなく愛するビブラフォンも入っていて、まさにジャズそのもの。『ウルトラマン』のオープニングに出てきたバルタン星人の影絵を使ったジャケットもオシャレですね。

 なお、タイトルには「グルーヴ!円谷ヒーロー!!」と謳っているものの、さすがに特撮モノだけで揃えるのは無理があったのか、普通のドラマの曲も収録されています。『ウルトラセブン』に流用された『レモンのような女』は、1967年のドラマで、円谷一、実相寺昭雄、飯島敏宏が監督を務めたようです。『独身のスキャット』は、1970年に、円谷プロダクションが一般向けドラマに本格進出した最初の作品で、ビリー・ワイルダーの名画『アパートの鍵貸します』みたいなストーリーだったらしいです。そんなドラマを円谷英二が監修していたというのがすごいですね(しかも遺作です)。1975年の『殺さないで!』に至っては、昼メロですよ。おそらく二度と音盤化されることはないと思われるレア音源です。



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