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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ちょんまげ天国 ~TV時代劇音楽集~

2002年発売

日本人の心の故郷、CDで登場!

 このタイトルを考えた奴は偉い。ジャケットを描いた花上貴之という人も偉い。他の仕事は知りません。選曲したペリー荻野という人も偉い。この人の書いた『ちょんまげだけが人生さ』って本は読みましたが、タイトルが一番面白かったです。

 というわけで、偉いことずくめのCDなのである。なにしろ、これまでドラマのサントラといえば、トレンディードラマやなんかを除けば、VAPのミュージック・ファイル・シリーズで、刑事ドラマかアクションドラマのものが発売されていたくらいで、時代劇に関しては、必殺シリーズくらいしか商品化の実績がなかったのですから。そこへ、こういうオムニバス形式で、広く一般にアピールする商品が誕生したのは、実に喜ばしいことです。

 『水戸黄門』の「ああ人生に涙あり」、「銭形平次」、『木枯らし紋次郎』の「だれかが風の中で」、『遠山の金さん』の「すきま風」といった誰でも知っている名曲、必殺シリーズからは元祖『必殺仕掛人』の「荒野の果てに」、大ヒットをぶちかました二大巨頭「旅愁」(暗闇仕留人)、「冬の花」(必殺仕事人Ⅲ)の他に、まだ気持ち悪い人じゃなかった頃の本田博太郎が歌った「風の旅人」(必殺仕舞人)や、『必殺必中仕事屋稼業』の挿入歌「夜空の慕情」なんてマニアックな歌がセレクトされています。更に、ほりのぶゆきの『江戸むらさき特急』で有名な(って、こんなマイナーなマンガ、皆さん御存知?)「江戸の黒豹」が入っている!

 更に更に嬉しいことに、『大江戸捜査網』『大岡越前』『服部半蔵 影の軍団』のテーマといったインストものもキッチリ収録!偉い!時代劇のテーマ曲ってのは、刑事モノに負けず劣らずイカス曲が多いんですよ。『暴れん坊将軍』も入ってましたけど、これはテンポの遅いオープニング・バージョンだったのでチト残念。立ち回りのときに流れるアップテンポ・バージョンなら最高だったのに。もっと言うなら、『子連れ狼』なら「ててご橋」より「子連れ狼」の方がポピュラーだろうとか、『遠山の金さん』は中村梅之助以外認めないぞ!とか、まぁ、そんな、ちょっとした文句もあるものの、こういう企画自体が喜ばしいことです。すぐにゲットして味わおうではありませんか!

 そして、更に!なんと、同時期にテイチクから『TV時代劇グレイテスト・ヒッツ』なるアルバムまで発売されました。収録曲のうち5曲がかぶっちゃってて、なんとまぁユーザー泣かせなことなのですが、こっちには、あの親分&子分ズが歌った名曲「遠山の金さん」が入っているのだ。あぁ、あれがCDで聴けるなんて、なんていい時代になったのでしょう!日本人なら時代劇だね!……それにしても、変なブームが来つつあるのでしょうか?いずれにせよ、時代劇音楽のこれまでの状況を一気に変える快挙!いやぁ、長生きはするもんです。


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