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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

THE ビッグオー オリジナル・サウンドスコア

[音楽]佐橋俊彦  1999年

BIG-O! SHOW TIME!

 最近のアニメと来た日にゃ、どいつもこいつも見分けのつかないアニメ顔で、まぁなんですわ、いわゆるオタク向けっていうんですか?そーゆーのが多いもんで、オールドファンの私としては見られたもんじゃないわけです。美少女とロボット出しときゃ売れるなんて誰が言うたんですかね。俺は別に美少女なんか要らんぞ。て言うか、美少女なんか添え物でええねん、添え物で。必須条件と違うねん。古きよき「テレビまんが」で育った私は、ちゃんとしたストーリー、演出って奴を楽しみたいのであって、そこに出てくるロボットだの美少女だののディテールだけを見たいわけじゃあないんだ。そっちが優先されるなんて、本末転倒もはなはだしい。世のクリエイターと呼ばれる人たちに猛省を促すものである。大体、そんな美少女なんてなもんが出てくるアニメ、ええ歳して見られますかいな。

 と、怒り、嘆き、悲しんでいたところに始まった『THE ビッグオー』。いいですね。横山光輝や桑田次郎を思わせる古めかしいデザインが郷愁を誘います。もっとも、そっち系のオタク(主にオッサン)に向けてるだけって説もありますけどね。それに、『新世紀エヴァンゲリオン』以降、模倣作品が続出した「思わせぶりだけのストーリー展開」が、ここにも見られたりして、手放しで褒められないというのも事実です。しかし、少なくとも見てて恥ずかしいことはないですな。それに、音楽が素晴らしい。一級品です。どこかで聴いたようなメロディーがバンバン飛び出して心地よい(これも、主としてオッサン向けの戦略だという説も……)。

 オープニング曲「BIG-O!」は、ご存知『フラッシュ・ゴードン』テーマ曲、クイーンの「フラッシュのテーマ」(ちなみに映像は『ウルトラセブン』)丸出しだし、このアルバムには入っていませんが、second seasonのオープニング曲「RESPECT」はジェリー・アンダーソン製作の往年の名作特撮番組『謎の円盤UFO』(作曲は、もちろんバリー・グレイ)丸出しですしね。オリジナリティがないとか言っちゃいけませんよ。これは、これでいいんです。クールなところはクールに決め、燃えるところはキッチリ燃えさせてくれる。さすが、現在のアニメ・特撮音楽界の第一人者、佐橋俊彦の名人芸(ただし、「BIG-O!」作曲は永井ルイ)。ウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ、ガンダムシリーズと、日本を代表するキャラクター作品すべてに参加経験を持つだけあります。天才、島健の作曲とピアノによるエンディングテーマ「and Forever...」がテレビサイズ収録ってのが、いささか気に食わんのですが、アルバムとしての完成度はかなり高いので、持ってて損はしませんよ。


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