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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ROLLER

GOBLIN  1976年

決して、ひとりでは聞かないでください

 いっちょプログレッシヴ・ロックなるものを聞いてやろうかと思い立ったわけである。なんか、カッコよさそうやし。ある程度ジャズを聞いてきた結果、ぶっちゃけ似たようなものばかりで飽きてきて、シンセサイザーだのメロトロンだのといった変な楽器を使ったジャズに走った私なのですが、さすがに食い荒らし過ぎて(て言うか、もともと少ないんですよ、ゲテモノ・ジャズは)ジャズ界には最早目ぼしいものはないと見極めを付け、プログレッシヴ・ロックに行き着いたのです。まぁ、もともとロックにクラシックやらジャズやらを取り込んだのがブログレなので、そんなに変な辿り着き方でもないですね。ただ、ロックなので歌ものが多いわけで、有名どころのピンク・フロイドにしろキング・クリムゾンにしろイエスにしろ全曲インストというアルバムがない。歌ものはどうしても声に飽きちゃうし、プログレ特有のハイテク感を味わえないので、探しに探しまくった結果、見つけましたよ、このすごいグループを。

 ゴブリンはイタリアのプログレッシヴ・ロック・グループ。と言うより、ホラー映画のサントラ職人と言った方が通りがいいかも知れない。なにしろファースト・アルバム(1975年)が『Profondo Rosso』、そう、史上空前の映像トリックが炸裂する『サスペリア2』のサントラなのです。おまけにサード・アルバム(1977年)が『サスペリア』(懐かしのサーカム・サウンド!決して、ひとりでは見ないでください……)。ちなみに、両方ともダリオ・アルジェント監督作品だけれど、内容に全然関連はないし、そもそも先に作られた『サスペリア2』の方が後に輸入されて、こういう便乗タイトルを勝手につけられたわけです。それはさておき、ゴブリンは、この後も『シャドー』『フェノミナ』とアルジェント監督作品の音楽を担当、更にジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』も手掛けるなど、筋金入りとしか言いようのないグループなのであります。怪獣映画なら伊福部昭!と似たようなものでしょうか。本人にしてみりゃ迷惑なのかも知れませんがね。

 で、このアルバムは、ゴブリンのセカンド・アルバムにして、初の非サントラ・アルバム。サントラに比べて、あんまり売れなかったらしいけれど、一曲目のタイトル曲からカッコいいのなんの。この重厚な感じもなんとも言えない。ここに辿り着くまで、プログレのアルバムを何枚か聞いてみたんですが、意外に「軽い」印象が強くて、私としては不満が多かったのです。多分、キーボードの超絶技巧と、高音を使いまくるせいで軽く聞こえてしまうのだと思うのですが、だから、キーボードだけのプログレは私には少々キツイのです。ところが、そこんところにギターがぎよよよよ~んと入ってくると、ビシッと締まりますな。改めてギターの役割の大きさというのに気が付きました。ロックがロックたる所以はギターですな。ここんところがジャズと違うんですな。私が大好きなリターン・トゥ・フォーエバーの『浪漫の騎士』(これはプログレやと思うんやけどなぁ)だって、チック・コリアのキーボードだけじゃ、ああまで楽しめないと思うのですよ。やっぱり、アル・ディ・メオラがいなきゃあね。エレキ万歳。


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