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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

R.O.D. オリジナルサウンドトラック

[音楽]岩崎琢  2001年

書を愛して狂う者曰く、「紙は常に我らと共に」

 メガネで巨乳のカワイコちゃん(こういうのを「萌え」って言うんでしょうか?)、読子・リードマン(声はキャットボイスの元CoCo三浦理恵子!)は、神田神保町で非常勤講師の仕事をしながら読書三昧の自堕落な生活を送っている活字中毒のビブリオマニア(書店の最重要御得意様として顔写真が貼られている)であるが、実は大英図書館特殊工作部所属のエージェント、どんな紙でも変幻自在に操る「紙使い」の能力を持つ「ザ・ペーパー」である。

 ある日、アメリカ議会図書館が何者かに襲撃され、大量の稀覯本が盗まれるという事件が発生した。犯人は、一休宗純(声は元BARBEE BOYSのKONTA!)をリーダーとし、電気を操る平賀源内、虫を操り、自らも脱皮して成長するジャン・ヘンリー=ファーブル、高性能グライダーを用いた空中戦を得意とするオットー・リリエンタール、火や水を操り、更には如意棒まで使う玄奘三蔵などを擁する正体不明の異能者組織「世界偉人軍団」。大英図書館特殊工作部の命を受けた読子は、あらゆるものをすり抜けられる能力を持つ「ミス・ディープ」ことナンシー・幕張と、傭兵ドレイク・アンダーソンの支援により、稀覯本奪回作戦を開始する。読子たちは「世界偉人軍団」一休宗純の最終目的である「とんち」を阻止することができるか?

 という文系アクションOVAのサントラ盤です。作品自体はハッキリ言ってオタク丸出しの設定ですが、絵もキレイだし、なかなか楽しめるスパイ・アクションでした。しかし、最近のアニメにはあまり食指が動かない私が何故見たのかというと、音楽がイイ!という評判を聞いていたからなんです。で、見てみたら、オープニングのかっこいいこと!ここは曲(「R.O.Dのテーマ」)、画面ともに秀逸です。スパイ・アクションらしいテンポを持ちながら、哀愁を感じさせる流麗なストリングス。そして見事なタイミングでスタッフのクレジットが挿入されるところの、リスペクト林静一って感じのモダンで和風でポップで退廃的なビジュアルが素晴らしい。多分、椎名林檎は、こういうの好きなんじゃないかなぁ、と思わせる出来です。監督である舛成孝二の趣味なのか、本編とはまったく関係なく、意味なくエロい感じの絵柄であるところが、これまた素晴らしい。評判どおり良質の劇伴で、特に冒頭、読子が古本屋で買い物をしまくるシーンに流れる「書を愛して狂う者曰く、『紙は常に我らと共に』」はヴィブラフォンが心地よく転がりまくる素晴らしすぎの出来で、思わず身もだえしてしまいました。10年に一度聞けるかどうか、必聴の名曲です。

 音楽担当は岩崎琢。アニメを中心に活躍する作曲家で、ストリングスの使い方が抜群に上手い。『009-1』での仕事(エンディングに流れたTheme of 009-1(Closing Mix)は最高!)も忘れられませんね。