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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

EXOTIC CHARM

THE SELLCANCERS  2005年

エレキギターは不良の証

 エレキ小僧、集まれ!というわけで、超ノリノリのギター・インスト・アルバムです。今でもいるのか、エレキ小僧って?いや、まぁ、そんなことはさておき、これはサーフ・ギターの気持ちよい疾走感が横溢する大傑作です!世界のインストマニアを唸らせ、おマセな音楽ガールをトリコにする魅惑のギターインストバンド、ザ・セルキャンサーズ!浜松からデビュー!

 『パルプ・フィクション』『TAXi』で使われたディック・デイルの「ミザルー」がサーフ・ギターだって言えばイメージが湧くでしょうか。それじゃコア過ぎて分からないって一般ピープルには、ベンチャーズを思い起こしてもらえばよろしいでしょう。寺内タケシとかグループサウンズなんかを思い浮かべていただいてもいいですね。なにぃ、不良の音楽だぁ?21世紀にもなって、なに寝言ぬかしてるんですか。確かに心臓が弱くて『恐怖劇場アンバランス』を一人で見られないようなお年寄りには辛いかもしれませんが、最近のJ-POP(ぢぇい・ぷぉっぷぅ~、と馬鹿にしきった口調で発音していただきたい)なんかより、よっぽど美しいメロディーを聞かせてくれますぜ。なにしろインストですから、メロディーが美しくなきゃ聞いていられないわけで、才能だとか力量だとかいったものがモロに分かるのです。私は楽器の演奏なんて出来やしないので、テクニカルなお話は無理ですが、このバンドがすごいのは、聞けば分かります。

 ここに収められた13曲は、全部スピーディでハッピーでビューティフルで、しかも少々哀愁感じさせたりするあたりが、いかにも日本人の好みにピッタリな出来です。青い空!青い海!どこまでも伸びていく道路!信号機なんかない!ってな感じで思い切り車を飛ばしてみたくなる好盤です。中身も素晴らしいんですが、ジャケット・デザインが、これまた素晴らしくサイケな出来で、マニア心をくすぐります。こういうジャケットになら騙されてもいい、とジャケ買いする人(←俺だ)も続出することでしょう。あ、騙されやしませんでしたから御安心を。というわけで、外見も中身も実にセンスの良いアルバム。

 発売元はサザナミ・レーベルというインディーズなのですが、坂本九「ステキなタイミング」(「この世で一番肝心なのはステキなタイミング♪」という訳が素晴らしい)、飯田久彦「ルイジアナ・ママ」、中尾ミエ「可愛いベイビー」、ザ・カーナビーツ「オブラディ・オブラダ」など、400を超える海外楽曲に日本語詞をつけた作詞家、漣健児(シンコーミュージック・エンタテイメント元会長、草野昌一のペンネーム)の名にちなむというくらいで、60年代を愛し、エレキだGSだなんだかんだと、マニアにはたまらないといった類のアルバムをリリースしまくっているようです。要チェックのレーベルですね。


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