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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

SHOGUN

SHOGUN  1979年

実力派スタジオミュージシャンによる短命バンドの名盤

 中学生の頃通っていた塾の帰り道に貸しレコード屋がありました。そこには、キレイで幸薄そうで魅力的な女の人がいて、いたいけな少年(私ね)は心をときめかせていたものです。まぁ、それもあって、同じような距離にあった別の店(黎紅堂……すげぇ名前)には行かず、南野陽子のアルバムなんかをよく借りていたのですが、その店が閉店することになって、レコードを安値で売り出したのです。これで、お姉さんの顔も見られなくなるのか、と悲しみつつ買ったのが、これと山下洋輔のアルバム(なんだったか忘れた)と大友克洋の『童夢』のイメージアルバムでした。我ながら、ものすごい組み合わせだと思うのですが、3枚だと安くなるというので、これらにしたのでした。

 とは言うものの、カッコ良さそうだと思ったフリージャズなんかまるで楽しめなかったし(いまだにそうですけど)、中森明菜、早見優、立花理佐なんかを手がけた作・編曲家で音楽プロデューサーの伊豆一彦が大友と共同プロデュースした『童夢』はなんか変な感じでした(伊豆は大友作品のファンで、自分で持ちかけた企画だったらしいのに……まぁ、当時たくさん出ていたイメージアルバムなるものがそもそも変な感じでしたが)。

 というわけで、一番楽しめたのが、このアルバムで、全部英詞のロックアルバムというのが、なんかすごくカッコいい気がして、私にとっては思い出深いアルバムなのです。そして、どこにも何も書いてないけれど、実は傑作アクションコメディー『俺たちは天使だ!』のサントラ盤なのです。サントラといってもBGM集ではなく(それはこっち)、全部ヴォーカル曲。この歌が挿入歌として使われたり、インスト版がBGMとして使われたりしていたのだ。かの名曲「男達のメロディー」はもちろん、「Sunrise Highway」「You Turn Me On」なんて歌が実にかっこよく、ドライブにも最適なアルバムです。でも、ダーツ(柴田恭兵)がディスコで踊っているときに流れる♪しゃらんしゃら~ん♪って歌は入ってないのであしからず。

 SHOGUN(名前は島田陽子を国際派女優にしたドラマ『将軍 SHOGUN』に由来……時代ですねぇ)は『俺たちは天使だ!』の主題歌、「男達のメロディー」でデビュー、後に『探偵物語』の音楽も担当した、70年代ドラマ好きには忘れられないロックバンド。一世風靡セピア「汚れっちまった悲しみに」もんたよしのり with 大橋純子「夏女ソニア」なんかを作曲したギタリストで石田えりの元旦那である芳野藤丸や、『キャッツ・アイ』『必殺仕事人V激闘編』、『美味しんぼ』の作曲家でキーボーディストの大谷和夫、後に『超時空世紀オーガス』の主題歌を歌うケーシー・ランキンなど、デビュー時点で10年以上スタジオ・ミュージシャンとして活動していた実力派によるバンドでしたが、藤丸、大谷のマリファナ所持により、わずか2年足らずで活動を停止……。


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