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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

MY NAME IS ALBERT AYLER

ALBERT AYLER  1963年録音

これなら許せるフリージャズ

 ジャズ界の冥府魔道、それがフリー・ジャズなのです。フリー・ジャズとは、「1950年代後半以降に発生し、音楽の基本であるコード進行や譜割を無視して、エモーションの赴くままに自由に演奏する、いかなる西洋音楽の理論や様式にも従わないといった一連のジャズの総称」なのです。なんて言っても、よく分からない。音楽の基本であるらしい「コード進行や譜割」自体が分からない、そもそも楽譜も読めない私に、こんな定義で理解しろったって無理な話なんだよ!というわけで、私でも分かりやすく定義することにする。フリー・ジャズとは!ルール無用!無茶苦茶、好き勝手、やりたい放題の外道な音楽であるっ!したがって美しくない!楽しくない!不愉快だっ!足が臭い!何が「エモーションの赴くまま」だ。単なる自己陶酔のオナニー音楽、いや騒音でしかないではないか。

 というわけで、私はフリー・ジャズなるものを愛聴するわけでもなく、ましてや評価なんぞ全然していないのである。だって何やってんだかサッパリ分からないんだもん。ガイド本で傑作!これぞ「マイ・フェイバリット・シングス」最高・究極の名演!なんて紹介されてたジョン・コルトレーンの『セルフレスネス』なんてアルバムは気が狂いそうになるよ。

 まぁ、全盛期は60年代で、70年代半ばのフュージョンの登場以後、衰退してますし、そもそも、既成の概念をただ否定するばかりで、結果的に音楽的側面での進歩は生まれなかった、なんて評価もあるくらいですから、それほど重視されているわけでもなさそうなんですけどね。それでも、怖いもの見たさという気持ちは誰にでもあります。ジャズを聞いている以上、一度は味わってみたいなんて気持ちもあるでしょう。ピアノを拳で叩くように弾く「パーカッシブ奏法」や、サックスの絶叫奏法「フリーキー・トーン」なんかに魅力を感じる人もいるでしょう。特にセロニアス・モンクを聞いて「不協和音の妙な気持ちよさ」を感じてしまった人なんかは、そんな気持ちが強いと思います。

 そんなあなたにオススメするのが、このアルバム。自己紹介から始まるアルバムです。まぁ、「ハァ〜イ、おいら、アルバート・アイラーさ!怪しいもんじゃないぜぇ」なんて三本指立てたフレンドリーな感じではないけれど(でも、その昔、散歩と雑学が好きな評論おじさん植草甚一は、アルバムタイトルを『僕の名はアルバート・アイラー』と訳したらしい……まんまやんけ。それに、こんな演奏する奴を「ボク」って訳すかぁ?)、「バイ・バイ・ブラックバード」「サマータイム」「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」なんてスタンダード曲を演奏しているので、「あぁ、フリーというのは、こういうふうに崩すのか」というのがよく分かります。とにかく、フリー・ジャズ入門には最適でしょう。ここから先へ進むかどうかは、あなた次第。



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