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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

JAZZ BY GEE!

MATTHEW GEE  1956年録音

テキサス・トロンボーンとは?

 最近、なんだかトロンボーンをよく聞く。昔は、そんなに好きじゃなかった。て言うか、各種ガイド本で紹介されているJ.J.ジョンソンのアルバムが、ことごとくつまらなかったからだ。なんでも演奏が無茶苦茶に上手いらしいが、聞いて面白くなけりゃテクニックなんてドーデモいい話で、私には全然アピールしないんである。「トロンボーン・ジャズというのは面白くない」と早々に見切りを点けちゃった私は、長いこと触手を伸ばさなかったのであるが、『ザ・ファビュラス・スライド・ハンプトン・カルテット』を聞いた頃から、何故かトロンボーンに対する偏見もなくなった。面白くないのはJ.J.ジョンソンだけなのだ! というふうに思えたのですな。それはそれで偏見だとも思うが、ジャズなんて偏見で聞くもんだろ、と開き直るのが正しいと思えるようにもなったのでね。

 で、偏見で聞く人の代名詞、寺島靖国の本で初めて知ったマシュー・ジーの名前。そんな人、どんなガイド本でも見たことない。調べたら、リーダー作はこれと、ジョニー・グリフィンとの双頭リーダー作『ソウル・グルーヴ』の2枚っきり。ああ、そういうマイナーなのに惹かれてしまうのは人情ってもんでしょ。なんでも「テキサス・トロンボーン」と名付けた人がいるらしく、「テキサス・テナー」ってのなら聞いたこともあるけれど、トロンボーンで、テキサスなんて二つ名をつけるほど豪快に吹きまくるなんてあり得るの? という興味もあり、試聴して『ジャズ・バイ・ジー!』を選んだ(まぁ、ジョニー・グリフィンが、あんまり好きじゃないということもあったので)。アルトの入ったクインテット、テナーとバリトンとトランペットが入ったセプテットと、派手な編成だけれど、なかなか良い。これは拾いもの。

 ただ、気に入らんのは、これ紙ジャケットなのよね。誰が考えたのか知らんが、この愚劣極まる代物は、いまだに発売され続けている。デジパックなら分かるが(あれもCDをホールドする部分が壊れたらパーなので、あの部分を簡単に交換できるように改良してほしいけど)、紙ジャケなんてものはLPを懐かしがるにしたって小さすぎて意味ないし、そもそも扱いにくくて仕方ない。立てて並べておくと、どこに行ったのか見つけにくいし、老眼の私を苛め抜いて、そんなに楽しいのかね。レコード会社の人たちは、いい加減に目を覚ましてほしい。


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