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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

OUR SONG

FULL SWING  2009年

ポップなオルガン決定盤

 オルガンのアルバムと言うと、何故かギトギト、コテコテなものを思い浮かべてしまうのは、ジャズ・ファンの悪い癖。そりゃあ確かに、ジミー・スミスの「ルート・ダウン」は名盤でござんすよ。でも、あんなのばっかり聞いてたら、胸やけ胃もたれで胃酸が大変なことになっちゃう。というわけで、ここはひとつ、オルガンでも爽やかポップなアルバムがあるってことをお教えしようじゃありませんか。

 さてお立合い、そんなアルバムを作っているのは、FULL SWING。振り切っちゃってるね。結成は1999年、ハモンドオルガンをメインに据えたバンドで、サイドメンは、ギター、ベース、ドラムというシンプルっちゃあシンプルな構成。でも、それだけじゃ寂しいので、ライブでは、ヴィブラフォンやホーンセクションが参加したりもします。ちらっと聞いたけれど、私の好みから言うと、少しうるさいね。ホーンセクションが入っちゃうと、違うものになっちゃいますから。まぁ、基本的にライブってのが好きじゃないからいいのだが。このアルバムはスタジオ録音で、ヴィブラフォンとパーカッションが参加して、程よい味付けを加えてくれています。これはいいよ、かなりいい。聞きやすくって優しくって気持ちいい。こういうオルガンは、ありそうで、なかなか無いのだ。全6曲で、30分ちょいという収録時間も、満員電車のアブラギッシュ親父みたいに、これでもかこれでもかって押し付けてくることもなく、風のように現れて、風のように去っていく好感の持てるコンパクトさ。是非お試しあれ。

 ところが、なんと、2015年をもって無期限活動休止になってしまった。ああ、この人たちも……。私が好きになったら、みんな解散したりして、いなくなってしまうというジンクスは、いまだに健在なのであった……。一応、公式サイトは、こちら。 


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