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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

伊福部昭 特撮映画マーチ集

1994年発売

テンション上げて出勤したい貴方に

 御存じ、怪獣映画音楽の神様、伊福部昭のコンピレーションの一つ。このアルバムの特徴は、いわゆるマーチ曲ばっかり集めたものであるところ。なにしろ伊福部の音楽には、独特の催眠効果がある(いわゆる「オスティナート」って技法のせいなんですかねぇ)ので、CDまるごと1枚、寝ないで聞きとおすのが難しい(俺だけか?)のだが、マーチ集なら安心さ! というわけで、中古で高値がついていたのを、清水の舞台からバンジージャンプの心意気で買いましたよ。なのに、これでも眠気を誘われるあたり、恐るべし伊福部。いや、中身が悪いわけじゃなくて、あくまで音楽技法上の問題だと思います。それとも、単に歳を取って、疲れが出やすくなってるだけか?

 贅沢を言い出せば、きりはない。オリジナル・サウンドトラックだから、音質の違いは当然あるし、別作品の曲として収録されていて、演奏だって違うけれど、メロディーは同じのばっかりじゃないかとか、『海底軍艦』から、これだけ? とかいうバランスの悪さとか、ボーナストラックとして収録された「闘志・天翔〜覇王・佐竹雅昭のテーマ」は誰得のボーナスなのかとか、まぁ、いろいろあるわけだが、通して聞いていると、不思議とどうでもよくなってくる。今、どのあたりを聞いてるのか分からなくなってくるからだ。これもオスティナートって奴のせいなんですかねぇ、よく分からんけれど。嬉しいのは、いわゆる平成シリーズからも選曲されていること。と言っても『ゴジラvsモスラ』『ゴジラvsメカゴジラ』だけで、しかも新しいメロディーは『ゴジラvsメカゴジラ』のいわゆる「Gフォースマーチ」だけではあるけれど、過去の名曲群と一緒に聞けるというのは、何よりありがたい。この一点だけでもコンピレーションとして価値あるものになっていると思う。それに、しれっと『大坂城物語』だの『奇巌城の冒険』なんてのを紛れ込ませてるのも憎い。

 しかし、この、あまりにも「そのまんま」なタイトルは、いかがなものか。分かりやすいから、それは許すとしても、ジャケットデザインのセンスの悪さは、弁解のしようがないのではないか。これじゃあ、魅力半減ってものだ。こういうところに、もうちょっと気を遣ってほしいものだと思うオタクな私であった。