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ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

BLUE BOGEY

WILTON "BOGEY" GAYNAIR  1959年録音

私的ジャズらしいジャズ

 ジャズを聴き始めて、かなり経った。意識して聴くようになって、これを書いている平成30年の時点で、かれこれ20年ってところかしら。きっかけは忘れたけれど、とにかく、世間で良いと言われているものは聞いておかなくては、ということで、最初は、いわゆる名盤を紹介したガイド本を頼りにした。なるほど、これがジャズというものなのか、と、よく分からないながらも、いろいろ聞いた。次に、定番(『カインド・オブ・ブルー』だの『サキソフォン・コロッサス』だの『ワルツ・フォー・デビィ』だの)を外したガイド本を読みまくった。なんだか、そっちの方が面白そうな気がした。輸入盤を探して買うという楽しみも覚えた。それと、どれを聞いてもピアノとドラムとベースとサックスじゃ面白味ってもんが無かろうがっ、てんで変わった楽器を使ってるアルバムも聞き倒してみた。そういうのも楽しかったし、ビブラフォンやエレピについては、ホントに大好きになった(ハープはダメだった。ありゃ目先が変わってるねってだけの代物だな)。

 そうこうしているうちに、いつの間にか買ったCDが500枚を超えてしまい、好みのアルバムだけ残すべく、改めて聴き直した結果、
・ヴォーカルは嫌い
・ライブ盤もイマイチ
・ブルーノート・レーベルとは相性が悪い(ジャケット・デザインは好きなんだが)
・1950~60年代が好みだが、新主流派はタルい
・フリーとスピリチュアルは駄目
というようなことが分かった。自分の好みがハッキリして楽しかった。で、結局、50年代のハードバップ、テナーサックス入りのカルテットが一番いいという保守的な、つまらん結論に行きついたのだった。オーソドックスは強い。

 で、このアルバム。これを何故買おうと思ったのか、よく覚えていない。これを紹介したガイド本なんて、お目にかかったことがないから、今までに買ったアルバムを元にしたアマゾンのオススメだったのかも知れないが、今となってはドーデモよろしい。まず、ジャケットがいい。タイトルのロゴに工夫が足りんとは思うけれど、そこに漂うB級感が、かえって良い。演奏もよろしい。誰ひとり知ってる奏者はいないし、口ずさめる曲もない(いや、これは私が、あんまり曲を憶えていないというだけで、いわゆるスタンダードも演奏されています)けれど、ジャズな雰囲気に浸れる名盤だ。こういうアルバムこそが、本当にいいものなのだと思う。


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