ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

スケバン刑事

和田慎二  1975~1982年


スケバンまで張った麻宮サキが何の因果か落ちぶれて今じゃマッポの手先

 斉藤由貴と南野陽子と浅香唯、誰が一番好き?まぁ、美しさなら南野、可愛らしさなら浅香(ただし後期)ってところか。浅香っていうと浅香光代みたいでイヤですな。最近の『QUIZ』とかダウンタウン系バラエティー番組でしか浅香唯を知らない人、浅香唯って可愛かったんですよ、当時(今でも、あの歳にしちゃ十分可愛いですけど)。「セシル」とか「Believe Again」とかいい歌も歌っていたんですよ。あぁ、昭和は遠くなりにけり。

 それにしてもパート3「少女忍法帖伝奇」に出ていた奴はロクなことになってませんな。浅香唯は男問題で干されて今ではあのザマ、大西結花はソフトエロ忍者モノに出まくった挙句、事務所社長の借金騒動に巻き込まれて今じゃどさまわりのイロモノ、中村由真に至っては死んだって噂まで流れていたぞ(前田耕陽と結婚したんでしたっけ?……まぁ、B級同士ってことでね)。そう言えば、フジテレビ得意のごり押しで出まくっていたおニャン子達は、どこへ行ったんでしょうね?

 さて、テレビ版で最も強烈なキャラクターは、やっぱり暗闇指令でしょう。エンドロールのキャスト表じゃ「暗闇指令 ?」ですよ。お前は二十面相か。声だけでバレバレやっちゅうねん。パート3じゃ殆ど出演せず、ハングマンのゴッド化していましたが、登場したときに田中浩に「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」ではなく、「お久しぶりですな、暗闇殿」とか呼ばれてたぞ。本名か?そんなマヌケで面白いテレビしか知らない人は、原作のハードな展開に恐れおののくことでしょう。

 札付きのスケバン、麻宮サキが、学生刑事にスカウトされる。学校という警察の入り込みにくい特殊な社会で発生する事件を解決するための特命刑事として、である。条件は、サキの実父を殺し、死刑判決を受けた母の死刑執行停止。サキは自らの身分を隠し、私立探偵の神恭一郎達とともに、鉛入りヨーヨーを武器に事件に挑む。第1部では、数々の事件を解決した後、母校・鷹の羽高校を影で牛耳る海槌麗巳と死闘を演じます。続く第2部では、記憶を失っていたサキの復活から、量産型学生刑事との戦いを経て、復活した国際犯罪組織「猫」、学生による自治政治を目指す「青狼会」、更に、日本の政治を影で操ってきた信楽老と「グランドスラム作戦」を巡って戦うことになります。学園ミステリだった(とは言うものの、名探偵コナンなんかとは全然違うハードな展開)初期はまだしも、日本中の番長連合が登場したり、異次元としか思えない巨大少年院が登場したり、レギュラーメンバーが次々と死んでいったり、『花とゆめ』に連載されていた少女マンガとは思えない、手に汗握る一大巨編。ラスボスは正体不明の化け物ですから、そんじょそこらのバトル物も軽く凌駕しています。テレビしか見たことないという方、特に原作者が激怒したパート3しか知らないという方は、騙されたと思って読んでみてね。


copyright©Daikichi_guy 1999-2020  all rights reserved.